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定年後の夫とふたり暮らし②〜断捨離のタイミング(前編)

(厳密にはまだ有給消化の期間だけど)夫の会社勤めが終わったとき、わたしは股関節の手術をして入院中だった。

これからは出社しなくていい。
そんな夫がどんなふうに変わるのだろう?
何か変化はあるのかな?と思って見ていたのだが。

夫がまず手をつけたのは、もう着ない会社用の衣類を処分したことだった。最後の出勤日の翌日に、スーツはもちろんのこと、ワイシャツ、下着、通勤用の靴下などを処分したらしい。

病院のベッドでそれを聞いてわたしはちょっと驚いた。というのも、夫はなかなかモノを捨てない人だと思っていたからだ。
たとえば新しい靴下を買ったら、わたしは今の靴下は捨てたい人なのだが、夫は「まだ履ける」と言って捨てたがらない人だった。だから「まだ着れるスーツを処分したことを聞いたとき驚いた!
けれど、もう会社勤めはしないから必要のないモノは処分したんだ。まだ着れる!けどもう着ないモノたち。

夫にとって会社勤めは楽しかったのかな?それともしんどかったのかな?などとふと思ったりもした。
まあその答えはきっと両方だろう。何にせよ夫にとって退職という人生の節目は断捨離のタイミングに違いない。
いつも「片付けなくては!いらないモノは処分しなくては!」と思っているわたしはちょっと嬉しかった。


夫の片付けはそれだけにとどまらなかった。

ここでちょっと話が逸れるが、夫の趣味は学生時代から続けているギター演奏で、仲間たちとの演奏の機会も増えつつある。

現在、うちにあるギターは5本。コレクターではないのでそう多くはないのだが、ここに来てまた欲しいギターが見つかったらしい。

夫がお気に入りのギターを見つけたときはすぐわかる。ギターのことなどぜんぜんわからないわたし相手に延々と今回見つけたギターがどんなにすばらしいかを語り続ける。アタマの中がそのギターでいっぱいなのが見えるようだ。

どうやらそのギターは、うちからそう遠くない楽器屋に翌日から2日間期間限定でお披露目にやって来るらしい。(このタイミングも引き寄せてるよね!)
当然ながら、翌日夫は嬉々としてその楽器屋に出かけていった。

帰って来た時、夫のアタマの中はさらにそのギターでいっぱいになってアタマからはみ出しそうになっていた!試奏したところとてもよかったらしいのだ。

わたしは、きっともうすぐそのギターを買うんだろうなと思って夫の話を聞いていた。


結果、翌日には彼はそのギターを手にしていたのだが、それを手に入れるいきさつがちょっと興味深かった。

長くなるので続きは次回にします。
楽しみにお待ちください。



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