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a solitary/夢のなかの夢

歩いて行ける距離の公園に向かう
頃合いの桜を見ようと思った
見上げると青色と薄く桃色がかった花弁の
コントラストが美しかった

今日みた夢をまた思い出していた

夢のなかで夢を観る
重畳的で階層的な夢は小さな頃から
時々観ることがあった
クリストファー・ノーラン作『インセプション』は
私にも起きている出来事

今日も夢のなかで夢を観た
夢のなかの夢に潜って
ひとつの出来事を改変・書き換えを試みる
それを或る人に報告をする
何度も何度もそれを繰り返して
途中で薄く覚醒して、時間を確認する
『まだ明け方だ、時間がある』
寝惚けながらも確信めいてうなずいて
夢のなかに戻る
そうしているうち朝になる

私自身がはっきりと投影された夢の重畳
私は誰よりひとりの或る人に認められたい
それでしかないのだと



Spring has come

ワーズワースのような詩心もなく
巡る四季よりも出口のない夢の思考を
ぐるりぐるりと繰り返している

たんなるにっき(その103)


花散るまでの時が夢

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