a solitary/夢のなかの夢
歩いて行ける距離の公園に向かう
頃合いの桜を見ようと思った
見上げると青色と薄く桃色がかった花弁の
コントラストが美しかった
今日みた夢をまた思い出していた
◇
夢のなかで夢を観る
重畳的で階層的な夢は小さな頃から
時々観ることがあった
クリストファー・ノーラン作『インセプション』は
私にも起きている出来事
今日も夢のなかで夢を観た
夢のなかの夢に潜って
ひとつの出来事を改変・書き換えを試みる
それを或る人に報告をする
何度も何度もそれを繰り返して
途中で薄く覚醒して、時間を確認する
『まだ明け方だ、時間がある』
寝惚けながらも確信めいてうなずいて
夢のなかに戻る
そうしているうち朝になる
私自身がはっきりと投影された夢の重畳
私は誰よりひとりの或る人に認められたい
それでしかないのだと
◇
Spring has come
ワーズワースのような詩心もなく
巡る四季よりも出口のない夢の思考を
ぐるりぐるりと繰り返している
たんなるにっき(その103)
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