「ボイドテラリウム2」を完走した感想(前作からの変化を中心に)

こんばんは。あんでぃです。
廃墟を探索して資源を集め、荒廃した世界で一人生き残った少女を「お世話」するローグライクゲーム、「ボイドテラリウム」。少女「トリコ」の可愛さ、お世話への没入感などで一躍大人気ゲームとなった(頼むからなってくれ)本作ですが、今年6月30日、続編である「ボイドテラリウム2」が発売されました。

https://nippon1.jp/consumer/trrlm2/https://nippon1.jp/consumer/trrlm2/

語りたいことは山ほどあるのですが、まだ発売されたばかりですし、買うのを迷っている、という方もいることでしょう。ということで、クソデカ感情(!?)を放流する前に、「1」からの変更点、それに対する評価を某ゲームカタログ形式で、致命的なネタバレを含まないような形でやっていこうと思います。


1、ストーリー面

評価点

・前作はストーリーの作り込み的には正直甘いと評さざるを得ないような出来だったものの、今作では人類の過去、トリコの過去にも焦点が当たり、「1」の補完として文句ない出来になっている。おそらくは前作の段階で「2」の制作は既定路線だったか。
・詳細に関してはネタバレが避けられないので省くが、今作も日本一スタッフの性格の悪い部分が存分に出ている。「1」のダークさに引き込まれた人には間違いなく刺さる。

2、お世話面

評価点

・テラリウムのどこにいても、ワンボタンで食糧庫にアクセスできるようになった。これにより往復の面倒さが廃され、食べ物をあげやすくなった。
・新要素である植物栽培はそれなりに楽しい。湿度・温度のテラリウムオブジェクトによる微調整が必要になるものもあり、電力制限の要素なんかもあってなかなか手が込んでいる。
・トリコちゃんに待望の着せ替え機能が実装。かわいい。ただひたすらにかわいい。AIが限界化するのも頷ける。
・後述する戦闘システムの関係で武器防具のドロップ率が上昇した結果、資源集めがかなり楽になった。せっかく必要アイテムを手に入れたと思ったら資源が足りずまた周回、ということがなくなったのは嬉しい。

評価が分かれそうな点

・汚染されていない食べ物の入手確率が体感かなり上昇しており、また空腹度減少を大きく抑えるテラリウムオブジェクトが割と早期に手に入ることも相まって、トリコのお世話の難易度自体はかなり低下している。焦る要素が減ったことを歓迎する向きもあるだろうが、前作が絶妙な調節具合であり、その点がお世話への没入感をもたらしていたことを鑑みると、個人的にはもう少し出現率を抑えてもよかったのでは?という気はする。
(なお一概に緩くなったわけではなく、一部の食糧アイテムの消費期限が大幅に短縮されているが、一回の探索で2個も3個も食糧が手に入る環境では正直この引き締めが意味をなしているとは言い難い)

問題点

・病気の治療システムが「病気専用ダンジョンに行く」から「普通のダンジョンで特定の敵を倒して必要アイテムを入手」に変更され、大幅に難易度が上がった。前作は病気が事実上食糧難の救済処置のような位置づけになっており、それはそれで違和感があったのでこうした改変自体は別にいいのだが、問題なのはアイテムのドロップ率。1回の探索で落ちるどころか3、4回周回しても落ちないことがあり、没入感を通り越してただの苦行になってしまっている。特にストーリーの大事な場面で立て続けに病気になられた日には…
・一部の病気の治療後にストーリーが進まなくなる致命的なバグが報告されている。パッチ待ちか。
・前作ではテラリウムに常時設置されていたホウキが撤去され、掃除には倉庫からホウキを取り出してかつ特定の操作を行う必要がある。先述の病気治療の面倒さも相まって掃除は帰還後の必須要素になっているが、そこになぜ余計な手順を追加したのだろうか…
(ちなみに掃除後にトリコちゃんが褒めてくれる(?)演出が追加されていて、こちらはちゃんと可愛い)

3、探索面

評価点

・前作ではEN消費の多さ、パッシブを犠牲にして取得しなければならない、というデメリットからほぼ死に状態となっていたアクティブスキルが、EN消費が大幅に軽減され、そしてレベルアップに伴う取得ではなく武器に付随する要素となったことで、戦闘内で立派に存在価値を持つようになった。
・時折次のフロアに進む前に現れる「不思議な小部屋」はバリエーションに富んでおり面白い。特にスキル交換・武器アップグレードの部屋は引けると嬉しい。
・武器ごとに「熟練度」が追加され、異なる武器を用いた探索に意味が生まれた。
・前作屈指の壊れスキルであった「HP吸収」は廃止(厳密には、「後ろまたは横から攻撃」「部屋に敵が4体以上いる」といった条件が課された)され、ボム強化、リペア強化、スモーク強化、特定のアイテム使用時にボーナス、などの多彩なスキルが追加された。同時に、「ピットくん」はナーフ、「回転切り」は武器の熟練度に統合、など、全体的に「1」でぶっ壊れていた要素をなんとかしようという意図がうかがえる。
・前作で明らかにおかしい反射率を誇り、うっかり攻撃しようものなら即死が待っていた「トゲロボ」の反射率が改善され、普通に戦えるようになった。
・下位の「ねずみ」が盗みを行わないようになり、ストレスが軽減された。もっとも、敵の説明欄には普通に「アイテムを盗む」と書いてあるのでバグの可能性もあるのだが…
・新しく追加された敵もバリエーションに富んでおり面白い。特に、ビームをかわしながら戦うことになる「ガーディアン」は戦っていて楽しい。

評価が分かれそうな点

・ダンジョンの天候により変動する「ダンジョンパッシブスキル」なる要素が追加され、ダンジョンごとに与ダメージ・被ダメージ・CRI率などにバフ・デバフがかかるようになった。面白い要素だとは思うが、「与ダメージ・被ダメージ半減」などを引いてしまうと探索のテンポが著しく悪化するため、一長一短。
・不遇だった「スモーク」が一転して最強スキルになり、「スモーク効果無視」「スモーク内にいる時CRI率上昇・回避率上昇」「生物系を倒すと50%でスモークドロップ」あたりのスキルが重なるとほぼ無敵状態になる。無双の心地よさが保たれたのは良いが、前作の壊れスキルをナーフした意味はどこへ…

問題点

・ボムが弱い。ちゃんとスキルには「ボム強化」があるものの、バグか仕様かわからないが多くの敵がその強化スキルに対する耐性を持っており、アイテム欄に書いてある通りの定数ダメージしか出ない。そのため、ボマービルドで深層に挑むのはかなり困難。
・先述した小部屋には時折敵がスポーンする部屋が存在するのだが、その敵のビジュアルが死ぬほどリアルな巨大ゴキブリであり、人によってはトラウマもの。ここだけで虫が苦手な人は小部屋に入れなくなるレベルであり、流石に「日本一やりやがったな」の範疇を超えていると言わざるを得ない。

その他

・上に挙げたものを含め、相変わらずバグは多い。特に深刻なものとしては先述の病気バグのほか、「増築したテラリウム(今作では特定のレシピを拾うことでテラリウムの増築が可能になっている)にトリコを移していると、ストーリー上重要なイベントにおいてバグが生じる」というものが報告されている。要注意。
・BGMは引き続き名曲揃い。特に「砂没地帯」のBGMが個人的なイチオシ。

現状としてはこんなところでしょうか。
総評して、前作の良さを生かしつつ不便だった部分・単調だった部分を改善した力作で、「1」のファンは買って損はないと思います。特にダンジョン探索の進歩には目を見張るものがありますね。

ちなみに、これは文字通りの「続編」であり、単体で楽しめるかというとそれなりに微妙なので、まだ「1」もやっていないという方は絶対にそちらから始めた方がいいです。それなりに人を選びますが、ハマる人はとことんハマるので、夏休みのおともにいかがでしょうか。
それではまた。

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