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Paseo Magnífico 壮大な散歩 (día 17-18 Camino De Santiago)

7/13木 Carrión de los condes→ Terradillos de los templarios

4:30起床。いつもに増して早起きなのは、最初の区間が17kmもの間休憩する村がなく、日陰もない過酷な道だから。先日大都市Burgosを越えてからはMecetaと呼ばれる高原地帯に入っており、空気は冷んやりしているものの直射日光をさえぎる木々が無く、日が昇ると長距離を歩くのが困難なほど暑い。そこで早朝に距離を稼ぐ作戦。

幸い昨晩泊まったアルベルゲはシャワーがパーフェクト💯。しっかり身体を温めてからヨガ。出発の準備は万端だ。

フランスから来ているSandraが他のピルグリムのためにキッチンにカフェラテを置いていったようだ。Giveの精神が素晴らしい。
真っ暗な中、街を後にする。遥か彼方から鶏が何度もコケコッコーと鳴く声が聞こえる。まだ暗い中、彼らはどういうテンションなんだろうか。俺たちの朝が来たぜえええ!て感じなのかな。彼らに比べると人間は生ぬるいな。
背後には夜が開けてくるのが見えてくる。急げ。やりたいことをやりやるためには朝早く起きろ。スノーボードに行っていた頃を思い出す。朝のひんやりした空気と静けさが最高すぎる。ゆっくりと空が白んでくるこの空のグラデーションも最高。
朝焼けが美しい
やばい、急げ!
Meceta。日差しを遮る木がない、そんな道がただただ続く。ふくらはぎの後ろがジリジリ焼けるのを感じる
ブーン って書いてある?
ブーン って飛んで行きたい!
ひまわり油が安い理由がよくわかった
だってそこたらじゅうにあるんだもの。車の燃料としても使われている模様。

今日もたくさん歩いている。そもそも車でも嫌だなぁって思う距離を徒歩って意味がわからない。でも歩いている。

宿に着くとみんな歩みがぎこちない。うんうん、足が痛いんだよね。

昨日に続いて今日も、マドリーからリピーターとして来ているDavidおすすめの宿。受付してくれた美人のMariaが僕のIDカードを見て、へーSevillaで何してるの?ギター弾いてる。私のギター弾いていいよ。

フランスではアルベルゲの食事の前に必ず歌う歌があると言う。SandraとClemがそのUltreiaを歌ってくれた。進め進め、昨日よりもっと 的な歌詞。

Liverpoolで人類学専攻のBethは恥ずかしいと言いつつジャズを歌ってくれた。いつも明るい彼女も、18歳までは人見知りが強かったと。ジャンルは違えど僕はフラメンコで歌伴奏をするようになってから、こうした歌伴奏が全く怖くなくなった。

Carrión de los condes (Espiritu Santo 10€◎) 5:30発
↓26.12km 6.5h
Terradillos de los templarios (Jacques de Molay 12€◎) 12:00着

7/14金 Terradillos de los templarios→ Bercianos Del Real Camino

昨晩、ブラジル出身の大柄の男性が僕と同室にチェックインしてきた時に嫌な予感はしていたのだが、予感的中。すごいイビキでなかなか眠れず。何とか日の出前には出発。

朝焼けを見るために、何度も振り返る
ひまわりの海
今日も色鮮やか
思わず立ち寄りたくなる花がかわいいカフェ。Irelandから来ているColmは足の裏に大きなblister(マメ。英語だとたかがマメもロックバンドの名前みたいだなぁ)ができていたが、イタリアの女の子に処置してもらって以来順調に回復したようで、今日は快調に歩いている。
自然の中を歩いていると曲線が多いことに気づく。そりゃそうだよね。本来自然はそのほとんどが曲線。そしてその中を歩くのが心地いい。歩きながらゆりかごの中にいるような感覚。
Camino de Santiago(通称フランス人の道)の中間地点(約400km)を通過! 11-12世紀当時のCastilla y Leónの王、Alfonso VIに迎えられて、Sahagunに到着
様式の異なる建物が並ぶ
時代の移り変わりを表す
ベンチで休憩
前を通りかかった男性とかわいい柴

たまたま僕の前を通りかかった男性の奥さんは日本人。あいにく9月に離婚するらしい。週末に近所に住む親とご飯を食べるのが当たり前のスペインだが、奥さん1人だけ言葉の壁があるのは結構なストレスのはずで、お互いが相手の言葉を覚えようとする姿勢が大事なのかなと想像。かく言う僕もバツイチのため偉そうなことは言えませんが。

いつもお世話になってますスーパーDia。中堅以上の街にしかない。あれば必ず立ち寄ります。一方小さい村には値札の無い食料品店やバルばかりで相場観がつかめるまでは難儀です。
Mecetaの真っ只中だが、ありがたいことにずーっと木影の恩恵を受けて歩く。

Vienaから来たWolfgangと一緒に歩いた。オーストリアでは5年働くと1年休みしかも半額給料支給される制度があり、それで来ていると。なんと羨ましい理想的な制度。これがあれば間違いなく僕は会社を辞めずに済んだ。でもVienaも最近は労働力が足りないらしく、この制度もいつ変わってもおかしくないという。

そもそも僕は歩くのは嫌いだ。かったるいから。だからいつも街では自転車に乗っている。スピードの速いものに憧れる。例えばツバメ。彼らはいつも猛スピードで追いかけっこして遊んでいる。彼らから見たら人間は超トロイ生き物だろうな。一方で人間は脳でいろいろ考え事をするのにエネルギーを割いている。実は歩くペースはゆっくりだが考え事するにはちょうど良いということが今回歩いてみてわかった。これが自転車だったらどうだろう。考え事しながら自転車で走るのは危なくてしょうがない。。

そして今日も体の全細胞をフル動員させておいしいビールのために歩く。

今日泊まる村
なんとも素朴
みんな続々到着、シャワー、そして洗濯
こなれた仲

この日の宿はDonativo(寄付制)。ボランティアスタッフのサポートで成り立っている。彼らの多くはカミーノの恵みを受け、その恩返しとして参加しているため、僕らピルグリムから見てとても近くで寄り添ってくれる感じがする。ピルグリムを受け入れる側の景色はどんなだろうか?興味が湧いて来た。

左手一番手前はイタリアから参加のスタッフ。ローマのバチカンに向かうカミーノvia francigenaの存在を教えてくれた。将来歩けたらいいな。
ヨーロッパの夏はカラッと乾燥していて、外で過ごすのがとても気持ちいい
チャペルにて
自然光がきれい

食後の瞑想の時間。チャペルに20人以上が集い、カミーノに来たきっかけやカミーノでの経験を語る。この日僕はスペイン語で話した。毎日何かをこの道から受け取っている。だから自然と僕も誰かに何かを差し出したいと思うようになったと話した。辛いことがあったと涙流す人もいてとても神妙な雰囲気の中、最後に日本のギタリストさん何か一曲弾いてくれますかと。場を壊さないように丁寧に、孤独と対峙する人への想いを込めてソレアを弾き語った。

¿A quién le contaré yo
la fatiguillita que estoy pasando
se la voy a contar a la tierra
cuando me estén enterrando
誰に言ってやろうか
私が経験しているこの苦難を
この大地に言ってやる
彼らが私を埋めるとき

Terradillos de los templarios (Jacques de Molay 12€◎) 6:30発
↓7h
Bercianos Del Real Camino (Parroquial €Donativo◎) 13:30着

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