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語学検定準一級

 英語でもフランス語でもドイツ語でも言語はなんでもいいが、各々の言語には日本で検定試験がある。大体五級から一級まである。試験を受けた人もきっといることだろう。だがここであえて強い言葉で言うならば、検定の二級や準一級は役に立たない、ということである

外国語の取得において、実用的な面で言うならば、基本的に二種類しかない。四級レベルか、一級レベル(本当は一級でもまだ足りないが)のどちらかである。
どういうことか説明しよう。
 四級は外国人としてカタコトレベルである。「水」「食べ物」「ホテル」と言った単語や基本的な前置詞をなんとか拾うことができて、一応稚拙ながら文章を組み立てることができる。なので旅先として訪れればそこそこ役立つ。
 一級レベルは、なんとかネイティブに達しているレベルである。個人的にはそれだけでは不十分でどうにかこうにかネイティブと同じ土俵に立てるといった感じだが、それでも一応会話をしたり文章を書いたりできる。通訳や翻訳としてはその後も技術を磨かなければいけないが、駆け出し新米としてはいけるだろう。
 問題なのは二級、準一級である。これは旅先として出かけるには十分すぎるが、かといって基本四級レベルで足りるのでそういう意味では役に立たない。他方でネイティブ並みに会話するにはとても足りない。彼らの会話スピードにはとてもついていけないのだ。また通訳や翻訳としても最低限の水準にも達していない。そう言う意味ではやはり役に立たない。
 とどのつまり二級、準一級は非ネイティブとしては相応にできるが、ネイティブやプロにはとても及ばない力量である。

 まとめるが語学は「外国人として」実用化させたいなら四級あれば足りる。「ネイティブとして」役に立てたいのなら一級が最低ラインである。一級の合格は大体10%くらいである。そして受けているのは準一級レベルは合格している程度の力量を持った人間が多数だろうから、その語学を勉強している層をすべてひっくるめれば1%と言った所だろう。そしてその特定言語の語学ができると言う点で社会や世間の評価を得ようと思ったら更にその上に行かなければならない。相当重要な会議等の通訳をしたり、文芸作品を相応に翻訳しなければならない。割合としては0.1%もいないだろう。他の分野でも強みがあって補助的な役割としての語学(優れたゲーム開発者で営業やスピーチとしてネイティブと対等に話す)ならともかく、その語学ができることによって評価されると言うのは相当難しい。フランス語が出来ると言っても、フランス語ができることを評価されようと思ったら、繰り返すが通訳や翻訳で実績を相応に出さなければいけない。それができるのは一万人に一人と言ったところじゃないだろうか。

もちろん趣味としてやるならいい。単に趣味の一環としてならそこそこ出来る程度でも十分だろう。だが、それによって評価を受け自尊心を獲得しようと思えば、相当な狭い門を潜らないといけない。

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