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ゲーム感想記㊳ ゼノブレイド

 ゼノブレイドは三つ目の「ゼノ」シリーズ(ただし公式の名称ではない)である。1997年に当時隆盛を極めていたスクウェア会社から「ゼノギアス」が発売され、その後2002年から2006年まで「ゼノサーガ」が三部作に渡りナムコから発売された。そしてこの「ゼノブレイド」が今度は任天堂から2010年に発売されるに至った。ゲームのプロデューサーは全て同じである。
 「ゼノギアス」はSFや哲学要素を前面にだし、難解ながらもコアなファンを獲得した。対してそれに続く「ゼノサーガ」はそこまで評価は芳しくない。「ゼノサーガI」は壮大な世界観と魅力的なキャラでファンの期待に応える出来ではあったが、「II」になると一気に出来がガタ落ちとなり、クソゲーと言っていいレベルだった。最終章「Ⅲ」では出来は相応によくなったが、シナリオも尻すぼみで、どうにも良作とは言い難かった。 
 そして次に発売されたのがこの「ゼノブレイド」である。

今までのゼノシリーズと同じく壮大な世界観だが、いい意味で今作はカジュアルになった

発売前は色々不安な声もあったが、実際に発売されれば紛うことなき名作としての評価が固まった。壮大な世界、シナリオ自体は一本道だがオープンワールド的なフィールド、オンライン的なバトルシステム、「モナド」や「キズナ」のシステム、他多数のサブクエややり込み要素等、作り込みが半端じゃなく「Wiiの中で最高傑作のソフトは?」と聞かれれば、挙げられるゲームである。かつての「ゼノ」のような難解で哲学的なシナリオは潜めるようになったのはコアなファンからは残念だが、王道でありかつ壮大である。また本作の曲「名を冠する者達」等もゲーム音楽の名曲としてよく挙げられる。
 唯一多くの人間が認める欠点といえばグラフィックだが、後にSwiTchにリマスターたされるとそれも解決された。


戦闘は画面は切り替えられずリアルタイムで行われ、通常攻撃だけに限ればキャラは自動的に行う。なのでキャラの操作は主に技(アーツ)の選択がメインになる。この技は単に攻撃力が高いとかではなく、相手の注意や攻撃を自分に引き寄せたり(ヘイト)、敵を「崩し」て「転倒」させることによって一気にダメージを与えることができる。さらに本作の世界観を象徴する「モナド」を主人公のシュルクは使うことができ、各々の能力を一時的に上昇させたり、さらに未来を視る(ビジョン)ことによりあらかじめ大きな攻撃に備えたりすることもできる。
 また、全滅しても近くのスポットからペナルティなしでプレイ再開できることも初心者にとって優しい。

2010年にWiiで本作が発売された後、 2015年に3DSで、2020年に「Definitive Edition」(いわば「完全版」)としてSwitchで発売されているが、先ほども述べたようにSwitch版はグラを始め多数の部分が改善されプレイが快適になり、さらに本作の一年後の追加ストーリーが新たに加えられ、今プレイするとなればSwitch版一択である。特に難易度を変更できるようになった点は大きいだろう。壮大な世界は今も多くの人を魅了している。


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