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ゲーム感想記⑭ーFit Boxing 北斗の拳

ボクシング運動用のソフトウェアとして高い人気を博した『Fit Boxing』、今度は有名漫画『北斗の拳』とコラボした。運動用ソフトとして大いに『Fit Boxing2』を大いに重宝していた私は 発売と同時にすぐにこのソフトを購入した。その出来はどうだっただろうか?

運動用ソフトとして

 キャラゲー要素や演出を一切度外視した運動ソフトとして本作を捉えれば、純粋に『Fit Boxing 2』よりは良くなっている。運動コースは同じだが、その内容はブラッシュアップされている。一番高い難易度のものはよりハードな感じになっていて、やり応えのあるものとなっている。前作ではあまり前後ステップの意味があまり感じられなかった「前後ステップコース」では今作では運動として効果的に取り入れられているし、「スウェーバック」もフックを用いてよりハードになっている。「上級コンビネーション1」「2」も別物になっていて、容赦なく攻めてくる
 また「バトル」モードが追加された。これは実際に雑魚敵を倒したり、サウザーやラオウといったボスキャラと一対一で戦うこともある。運動としては、コースの合間休憩が少なくなっており、その分よりハードになっている。

バトルではインストラクターの代わりにトキ、バット、リンが声をかけてくれる

キャラゲーとして

キャラゲー要素としてはかなり微妙である。まずインストラクターが六人。初期状態でも9人(その後3人加わる)いた前作より少ない。そして漫画の原作として仕方のないことだが華やかではない。さらに着せ替えも色々出来た前作とは違い、上下セット固定のもののみが六つあるだけである(DLCで二つ追加)。そしてその着せ替え衣装も結構センスが微妙。いいなとはっきり思えるのはユリアだけであり(ユリアはデフォルト衣装が運動用じゃないためそっちに違和感がある)、後はサウザーとレイのいくつかがまあいいかなという感じ。ラオウは失笑もの。
 「北斗の拳」の小ネタはゲーム中にそこかしかにある。一日の運動スタンプが雑魚キャラの秘孔をついたり、バトルでボスと戦う際は(申し訳程度だが)ストーリーが流れたりする。ただ問題なのはインストラクターとしてのセリフに原作が活かされていないことだ。つまり一番ゲーム中で見ることになる運動画面でのインストラクターのセリフは前作を流用したものがほとんどで、さらに全キャラに差異がほとんどなく原作の名セリフがほぼないという、キャラゲーとして今作で一番重要な部分がおなざりにされているのである。それどころか「テンションあげていくぞ」「せーの」「リ・ズ・ム」「ボクサーになりきっていくんだ」というセリフには原作愛好者でない私でも違和感を抱くレベルである。
 さらに「バトル」も演出を一切抜きにすればやっていることは通常モードとほとんど変わらない。そしてボスキャラはこちらが負けるのが難しいほど弱い

一日の終わりのスタンプ。パンチするものもある

Fit Boxing 2.5

正直いうとどこかいまいち感は拭えなかった。結局前作との違いが思ったより感じられなかったからだ。「バトル」はやることはほぼ変わらないし、運動コースも新しいものが増えたわけではない。「北斗の拳」要素もそこまで活用できているとは感じなかった。
 ただ運動コース自体はブラッシュアップされているので、運動用ソフトとしては価値は大いにある。正直「Fit Boxing 2.5」のような感じである。運動好きなら満足できる、と思う。

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