ゲーム感想記㉚ 星のカービィ 夢の泉の物語
ゲームボーイとして発売された初代『星のカービィ』の第二作目は、ファミコンにおいて発売された。携帯機から据置機に発売されたことによって、ボリュームが大幅に増え(ステージ数が顕著に増加した)、白黒からカラーになったことは勿論である。だがそれ以上に本作では「カービィ」シリーズとして重要な要素が取り入れられた。それがコピー能力である。
前作同様に吸い込んだ敵を星として発射して倒すことは今回でも可能だが、今作では吸い込んだ敵を呑み込んでコピーすることができるようになった(全ての敵をコピーできるわけではない)。そのコピーできる能力数もかなり多く、ビーム、剣、カッター、ストーン、スパーク、ファイアー果てにはUFOまである。これが使っていて実に楽しいのだ。バリエーション豊かであり、色彩豊かなステージ背景と相まって、視覚的にも楽しめるものである。このコピー能力はカービィシリーズの肝といえる要素となり、その後様々な形で発展していった。例えば『スーパーデラックス』では一つのコピー能力で多彩な技を出したり(今作では基本一つだけ)、『64』ではコピーをミックスさせることができ、『ディスカバリー』ではレベル制になった。 ただ本作では敵の攻撃を一発喰らうとそのままコピー能力がなくなってしまう。喰らった時に出た星を吸い込めばもう一度使えはするものの、好きな能力をじっくり使えないのは残念なところではある。この辺のバランスはやはり難しいのだろう。
難易度的には比較的簡単な部類に入る。イメージ通り広くライト層に向けた感じで、アクションゲームに結構ガチっているプレイヤーならそこまで苦労することなくエンディングまでいけるだろう(死ぬ時には死ぬけれど)。とはいえ、バランス的には優れていて、手こずることがあったとしてもそれにイライラすることは殆どない。
ゲームとして穴らしい穴はなく、高水準でまとまっていて、その上能力のコピーという本作の肝であるる独創的な要素を本作は打ち立てている。とても優れたゲームであるので、名作として一度はプレイしておきたい。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?