ゲーム感想記#65 ゼルダの伝説 知恵のかりもの
『ゼルダの伝説 知恵のかりもの』は『ブレスオブザワイルド』や『ティアーズオブキングダム』とは違い、初代や『神々のトライフォース』と同じように見下ろし型の2D的なゲームとなっている。ただそれまでのシリーズの「アタリマエ」を見直した『BOW』や『TOK』と同じように、本作もグラフィックは回帰したものでありながら「アタリマエ」を見直したものとなっている。
本作の「アタリマエ」を見直した最大の要素、それはゼルダが主人公となり、名実と共に『ゼルダの伝説』となっていることである。操作キャラはごく最初を除いてずっとゼルダである。
そしてもう一つがカリモノシステムである。本作では特定の対象物をコピーしてそれをゲームを進めていくために駆使していく。ベッドやツボ、雲や水といった様々なものをコピーして使用できる他、ボスを除くすべての敵もコピーして戦わせることができる。攻撃手段に乏しい本作ではコピーした敵を使って撃破していくのが王道的なやり方だ。
また剣士モードというシステムもあり、これは変身することにより今までのリンクのように剣を使ったり弓を放つことができる。ただ時間制限があり、かなりすぐタイムリミットが来てしまう。
システム面では「アタリマエ」がかなり見直されているが、ストーリー面ではよくいえば王道、悪くいえばありきたりである。今までとは違いリンクとゼルダの、囚われる者と助けに行くものの立場が入れ替わっていることを除けば目新しさは正直言ってない。
ボリューム的な面でもそこまではない。『夢を見る島」と同じく小型の携帯ゲームとして意識されている作りで、『TOK』のような壮大さは期待しない方がいい。それでもやり込み要素はそこそこあり、『夢を見る島』よりはボリュームはあるが。また、謎解きの面でも比較的簡単である。謎解きの面では私はほとんど考え込むことはなく、ダンジョンもあっけなくクリアできた。ボスとの戦闘もスムージーを持ち込んでいくらでも体力が回復できるため、基本的に簡単である。
全体的な評価としてはまあまあ良作と言ったところ。『BOW』『TOK』のような名作クラスとはどうしても行かず、どこか薄さ・小規模感は否めない。カリモノシステムも何回も使う必須のもの(ベッド・水キューブ)少々とほぼ使わないか一回っきりのものが大半なため、もっと使用面においても多様性が欲しかった。
とはいえプレイしていて楽しい作品ではあった。少なくともプレイしたことが無駄だとは思っていない。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?