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ゲーム感想記#53 ファイアーエムブレム無双 風花雪月

人気SLGゲーム『ファイアーエムブレム』シリーズの名作『風花雪月』が無双ゲームに。
当然ながら登場する人物は全員『風花雪月』のキャラ。前作『ファイアーエムブレム無双』ではシリーズ全体の無双ゲームとしての位置付けながら『覚醒』『if』にあまりにも偏り過ぎた参戦キャラやが問題視されたが、本作は単品の無双ゲームなのでその心配は皆無。むしろ『ゼルダの伝説無双 厄災の黙示録』のように極限まで参戦元のキャラを出そうと努力している。

 『風花雪月』と同じく、本作は三人のクラスリーダーから選んでゲームを進めていく。原作の第二部をメインとしてプレイし、分岐も選んだリーダーによってもちろんする。また原作の学園パートにあたるパートも用意されており、それで食事をしたり好感度を上げたりすることもやはり可能。

『風花雪月』と同じく、キャラの好感度を上げる等のパートもある

 無双ゲームとしての完成度は高い。任天堂系列の無双ゲーム(『ゼルダの伝説無双』『ファイアーエムブレム無双』「ゼルダ無双 厄災の黙示録』)において積んできたノウハウをしっかり使い、無双好きなら満足できるだろう。ステージも多く、分岐もあるからボリューム面では文句なしだ。
 今作は色々とクラスチェンジをしてキャラを成長させていき、クラスチェンジをする頻度は原作より多い感じだ。キャラの性能というより選んだクラスによる性能が大きく、戦闘モーションもそれに基づく。

多彩なクラスチェンジができるのが本作の大きな魅力


 ストーリーとしても原作を土台としながらも、本作ならではの展開をところどころ見せる。一番大きな点は前作の主人公ベレス(ベレト)が「灰色の悪魔」として敵に回るということだろうか。しっかりした手順を取らなければ最後まで敵のままで終わることになる。

『風花雪月』の主人公は最初は敵として登場。仲間にするには条件達成の必要あり

 基本的に秀逸な作品だ私は思っているが、気になった点もいくつかある。
 一つは今作の主人公があまり好きになれない点。正体は結局最後まで不明のままだし、どうもデザインがいいとはいえない(特に女の方)。洗練されていた感じの『風花雪月』のキャラと比べ、どうにもデザインセンスに違和感が拭えない。
 それとステージが多いことの裏返しだが、ひたすら無双アクションをしていくことになり、マンネリ感が拭えない部分もある。そもそも本作はあくまで「無双」のゲームである。なので『風花雪月』ファンでも、無双のアクションが好きになれない人間はどうにもならないだろう。無双アクションがツボにハマった人間なら本作のボリュームも堪能できるだろうが、そうでない人間ほどすぐに飽きるだろう。

とはいえやはり秀逸なゲームであるのは疑いない。『風花雪月』の素晴らしいキャラで無双をプレイできるのは幸甚の至りである。


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