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ゲーム感想記㉓ Mother 3


現代的で独特な世界観を描き熱狂的な人気を博した「Mother」シリーズ。その三作目が本作である。

最初はNintendo64で開発が進められ、実際にゲーム画面の写真もアップされたが、その後開発は中止。しばらくして今度はゲームボーイアドバンスで開発が再開された。そして2006年、Mother 2 から14年の時を経て、ついに発売されることになった。

今作の世界観は前二作と比べてだいぶ重い感じがする作品である。陰鬱な場面やゲスイ場面がところどころにあり、中々ショッキングな部分もある。特に第一章が一番ショッキングといえ、それが良くも悪くも本作を象徴するものと言えよう。しかしながらそれがあるからこそ本作の魅力(特に終盤)が映えるのも事実であり、本作の作品個性として必要なものであった。
 また、コミカルな部分もそこかしこにある。物語上重要でない場合はもちろん、シリアスな部分でもユーモアテイストを添えていて、このコミカルさ自体が他の作品にはないような独特なものであることもあり、それが本作の実に個性的な味わいを形成している。

前二作に比べてかなりダークに

戦闘は基本的にはオーソドックスなスタイルである。物理攻撃、魔法攻撃、アイテム等を駆使して敵をやっつけていく。
ただ本シリーズ特有の戦闘方式があり一つは、ドラムロール式。攻撃を受けるとHPが減るが表示はゆっくりと減っていき、仮に戦闘不能になるような攻撃を受けても、0になる前に回復したりや敵を全滅させたりすれば、戦闘不能にならずに済む。このことを前提にした攻撃をしてくる敵もいる。
もう一つはシリーズでも本作のみのサウンドバトル。戦闘曲のリズムに合わせてボタンを押していくことにより攻撃を追加できる。最大16回で攻撃は2.5倍になる。戦闘曲は雑魚敵にも複数ある。

今作の独特な世界観の影に隠れがちだが、戦闘バランスが非常にいい。いい感じに雑魚敵を倒してレベル上げしつつ、ボスでは適度に苦戦しながら作戦を練って結構ギリギリで倒せる。本作最大の長所かもしれない。

本作のサウンドバトル。曲のリズムに乗って追加攻撃

人気のあった『Mother』シリーズ三作目としてファンの大きな期待を背負って発売された本作。世界観がそれまでとは違うため嫌悪を示したファンもいるが、その出来は決して前二作にも劣らない。ダークな世界観を基底にしつつも色々な要素がごちゃ混ぜに入った本作はまさしく「奇妙で、おもしろい。そして、せつない」。そしてこのユニークな世界観の最後に待ち受けるラストバトルは感動的で悲しくて熱い。その結末をぜひその目で。

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