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ゲーム感想記⑲ スーパーマリオ3Dワールド+フューリーワールド

「Mario 3D World」は元々はWiiUで発売されたマリオシリーズの新作であった。それが後になってSwitchで「Fury  World」というモードを追加して移植された。

 『3D World』自体、3DSで発売された『3D Land』を延長したような作品である。ではあるけれど、2Dマリオをプレイするような感覚として作られたのが『3D Land』だが、それをベースにしつつ大きく発展させたのが『3D World』である。なので3Dでありながら、2Dをプレイするような気軽さで本作をプレイできるのである。そして仕掛けが多様になり、ボリュームも据え置きマリオなだけあり、相応の量を誇っている。また、今作ではキャラはマリオの他、ルイージ、ピーチ姫、キノピオの四人(+隠しキャラ一人)が選べ、マリオUSAよろしく、各々性能も異なる。
 新要素としては他に猫マリオの存在が挙げられる。スーパーベルというアイテムを取ると猫に変身し、縦横無尽にステージ内を駆け回ったり壁を登ったりすることができるようになる。本作の雰囲気と構造にピッタリあっている。

複数人数プレイできるのも本作ならではの魅力である。2Dであった「Mario  U」も最大四人までプレイすること自体はできたが、何ぶん2Dであるため、画面上が窮屈になり、プレイしていてそこまで快適なものでなかった。それに対して本作は3Dとなり、格段に広々とした空間になったので、四人同時だとしても窮屈感がほとんどなくなった。

ただ先にも2Dマリオのようだということもあり、どこか本作は小じんまりとしている感がある。ゲームとしては良作以上だし、ボリュームや仕掛けも満点だが、前作の『Galaxy』や『Odyssey』のような単なる優れたゲームではない、ゲーム業界の大きな存在であるマリオシリーズの、何か圧倒するような貫禄はあまり感じられない(あくまで「あまり」であるが)。本作が発売された機種WiiUは任天堂の機種の中でも売上面ではかなり失敗であり、そのこともあるのかもしれない。

Switchの移植にあたって、「Fury World」という新たなモードがまるまる追加された。操作性やギミック、敵キャラは『3D World』準拠だが、今作はオープンワールドとなり、海も駆け巡りつつ世界を探索する。基本的にはネコシャインを集めていくのだが、『Odyssey』のパワースター集めと同じ感覚といえばプレイ者には理解してくれるだろうか。
 『3D World』ではいなかったクッパJr.とも協力しつつ、舞台を駆け回る。大きな特徴としてはギガクッパという存在があり、定期的に舞台に嵐が来るようになり、その巨大で黒いクッパが火を吐いたりして攻撃してくる。進行に応じて直接戦うことになる。ただ本作を完全クリアしても、定期的に嵐がおきクッパが妨害してくるのはうざったいと思う人もいるだろう(つまり黒クッパは完全に倒すことはできない)。
 あくまで追加要素なのでさすがに『Odyssey』のようなボリュームはない。完全クリアまで7−8時間といったところだろうか。それでも追加要素としてボリューム・出来は申し分ない。

『3D World』はどちらかというとパーティゲームとしてみれるかもしれない。それを意識した仕掛けやサーカス等華やかさを舞台にしたステージも多く、『64』以降マリオシリーズは一人でやるタイプだったが、本作は複数人数でプレイすることが意識されている。一人でも十分に楽しめるが、複数でプレイしてこそ今作の魅力を味わい尽くすことができるだろう。そのようなパーティ性は今までのシリーズではあるようでなかったのである。



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