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怒涛のタイムレス

随分と久々のブログ更新になりました。
個人的には私生活に色々と変化があるなど、色々な事があった年でした。
ざっとになりますが、簡単にこの年を振り返ろうと思います。

MTGの今年の変化

1.新設セット(スタンダード準拠)


①ファイレクシア-完全なる統一
②機械兵団の進軍
③機械兵団の進軍 決戦の後に
④エルドレインの森
⑤イクサラン-失われし洞窟

2.新設セット(MTGアリーナ)

①アルケミー:ファイレクシア
②「イニストラードを覆う影」リマスター
③指輪物語:中つ国の伝承
④ヒストリックアンソロジー7
⑤エクスプローラーアンソロジー3
⑥アルケミー:エルドレイン
⑦アルケミー:イクサラン
⑧タルキール覇王譚

この他、MTGアリーナにて新フォーマット「タイムレス」が実装されましたね。

タイムレス奮闘記

年末間近になって、MTGアリーナユーザーにとっては大きなインパクトを持つ新フォーマット、「タイムレス」が実装されました。

ヒストリックで猛威を振るうアルケミー用メカニズム等のデジタルカードが健在だった事もあり、当初私はこのフォーマットが面白いとは思えませんでした。創出・抽出等が私が得意と思っていたミッドレンジの消耗戦を破壊したと思っていたからです。

ただ、タイムレスでは、MTGアリーナに実装されたものの即禁止扱いだったエルドレインの「おとぎ話」シリーズや、「暗黒の儀式」等のMTG界のレジェンドをほぼ制限無く使えるという事には魅力を感じておりました。試しにミッドウィークマジックのイベントを覗いて見たら、そこでは想像を超える世界が広がっていました。

「1ターン目、暗黒の儀式からネクロポーテンス」
「フェッチランド即起動、蒸気孔ショックイン、ドラゴンの怒りの媒介者召喚、ミシュラのガラクタキャスト、諜報してから即起動」
「2ターン目に王冠泥棒、オーコ」

とんでもない動きが目まぐるしく展開される魔境でした。制限カードはあるものの、禁止は無くパワーカード同士の殴り合いを楽しむフォーマットで、デジタルカードも含んで創造性あるデッキの宝庫になっていました。

「暗黒の儀式」に魅せられて

タイムレスで最も魅力を感じたのは「暗黒の儀式」でした。1ターン目という、どのフォーマットでもガードが緩い立ち上がりに、3マナ以上の強力な動きを叩き込める点に魅せられました。

「ネクロポーテンス」を使うのは確定していたけど、サブの枠は当初「ヴェールのリリアナ」でした。これを令和のA定食にしたいと思っておりました。

しかし、リリアナは割と容易く落とされる・裏目に出る環境である事が遊ぶ内に分かってきて、路線転換する事になります。

最初期。象牙の塔では足りなかった…。

大墓地利用時代

タイムレスの12月期のトレンドはまさにこれでした。フェッチランド・ミシュラのガラクタ・諜報等墓地へカードを送りやすく、探査カードがMTGアリーナへ実装されたことで豊富な墓地リソースを活用できるようになりました。

これにより、「ヴェールのリリアナ」で相手の手札を縛って粘り勝ちする戦略は瓦解しました。相手の手札をあと1枚まで追い込んだと思ったら、「宝船の巡航」される世界線ですから。

プラチナ時のレシピ、カーンから墓地対策。

このレシピから派生するデッキにはも致命的な問題点がありました。それはマナを捻出し難い事でした。

「ネクロポーテンス」は手札を大量供給しますが、ライフと引き換えにです。ここで土地ばかりが供給されたりすると流石に痛すぎますので、土地の枚数はある程度絞る必要があります。1ターン目にネクロが通る前提でのマナベースは、要求マナが多めのカードとの相性が良くなかったのです。

最初期のレシピに居た「アクロゾズ」はこの点で活躍できず。そうなると、実質的な要求マナが多い「大いなる創造者、カーン」も同じ理由で活躍できませんでした。暗黒の儀式から2ターン目にカーンを出すこと自体は出来ますが、-2を使って様々な状況に適応する緑信心みたいな強さを発揮するには至りませんでしたね。「沈んだ廃墟」+「ニクソス」とかも試しましたけど、信心はネクロくらいしか貯めやすいものがなかったので、タップインや無色土地を増やすデメリットを跳ね返せませんでした。


救世主

このまま、タイムレスの黒単ネクロは終わるのか…と思った時に、スタンダードやパイオニアで主に活躍している「墓地の侵入者」を使う事を思い立ちました。

「暗黒の儀式」から1ターン目に展開できる事、墓地を能動的に掃除してくれる事、ライフを回復させてくれる事、このカードに書いてある全てが黒単ネクロに向いていたのです。タイムレスはクリーチャーサイズが小さめで除去は対象を取る呪文に寄っている事もあり、ほぼ確実に1対2交換以上を取れるカードなのです。


ミシック達成時のリスト

という事で、ここまでの紆余曲折があってミシック達成時のデッキに辿り着く事ができました。これはX(旧Twitter)で日々MTG関連の情報を共有してくださる方々、私の何気ないツイートに賛同してくださったり、色々な意見を伝えてくれる皆様方のおかげでした。本当にありがとうございます。

デッキガイド-黒単ネクロポーテンス

ここからは、タイムレスの黒単ネクロポーテンスの使い方に触れていこうと思います。ミシック達成までで対戦したデッキへの特に刺さったサイドプランなども伝えて行けたら、と考えております。

動き方・採用カードの役割

①マナ加速
・暗黒の儀式
・死儀礼のシャーマン

②ライフ回復
・死儀礼のシャーマン
・不憫な悲哀の行進
・怪物の災厄、チェビル
・墓地の侵入者
・黙示録、シェオルドレッド
・眠らずの小屋

③リソース確保
・怪物の災厄、チェビル
・ネクロポーテンス
・ロークスワイン城

④除去
・致命的な一押し
・不憫な悲哀の行進
・オークの弓使い
・一巻の終わり

⑤墓地対策(兼フィニッシャー)
・死儀礼のシャーマン
・墓地の侵入者
・眠らずの小屋
・目玉の暴君の住処

基本的にはマナ加速して「ネクロポーテンス」を早期着地して一気にリソースを回復させます。このデッキにはコンボが無いので、ネクロポーテンスへのライフの注ぎ込みは控えめで良いです。コンボを狙う動きよりも、対戦相手のアクションに反応して手を打つ方が私にとっては勝率が高かったためです。

シチュエーションごとの動き

①先手
ネクロポーテンスの1ターン目着地を狙います。この為ならマリガンを重ねてもいいです。これはライフが減る以外はノーリスクの戦法なので、1ゲーム目が先手だとウキウキしますね。

そうでなくとも、「死儀礼のシャーマン」・フェッチランドから展開する等の黄金ムーブがあります。

②後手
・相手が果敢系
相手のアーキタイプが果敢系かは、「血の墓所」「蒸気孔」を即座に持ってくる動き、「ミシュラのガラクタ」を置く動きをしたら断定します。

この場合、相手のラガバンが脅威なので「致命的な一押し」を構える(フリをする)のをお勧めします。思考囲いも2ターン目以降で良いでしょう。

その後は除去の差し合いになるので、「墓地の侵入者」「ネクロポーテンス」を定着させる動き方を心掛けましょう。

・相手が果敢以外
緑単やビートダウン、コンボの相手にはそのままでは押し負けてしまうので、発火点を「思考囲い」で潰したり、「ネクロポーテンス」を早期展開したいところです。

③ネクロポーテンスが除去される
・エンチャント除去を受けてしまう
ネクロポーテンスの手札補充にはタイムラグがあります。なので、除去を受けても数回起動して次のターン終了時に受け取る手札枚数を確保しておきましょう。

この点があるから、ネクロポーテンスを除去しても相手方のアド損になるんですよね。これはそこまで悲観する状態ではありません。

・真髄の針(起動型能力の封じ込め)
ネクロポーテンス使いとしては避けるべき状況です。針のキャストに対応してネクロを起動させ、次のターンまでの手札を確保できますが…。ネクロポーテンスのデメリットのドローステップを飛ばす部分は残るので、そのままでは負けてしまいます。
この点は「一つの指輪」と比べて致命的な部分になりますね。

サイドボード

①対果敢
IN 8枚
虚空の杯×3
帆凧の掠め盗り×2
黙示録、シェオルドレッド×1
一つの指輪×2

OUT 8枚
・ネクロポーテンス×4
・思考囲い×4
※状況に応じて、マナ効率の悪い「一巻の終わり」を抜いて良いと思います。ミンスクや他の勝ち筋がある相手なら残すべきですが。

相手のマナ域が偏るなら「虚空の杯」が最強の妨害手段です。実際、土地1枚・暗黒の儀式・杯でキープして1ターン目に杯を置くだけで勝ったゲームもありました。
果敢はビートダウンとしても強度があるので、ネクロポーテンスではなく、「一つの指輪」+「黙示録、シェオルドレッド」のライフ回復がありがたい状態になりますね。

②PWコントロール
IN 8枚
・帆凧の掠め盗り×2
・一巻の終わり×1
・黙示録、シェオルドレッド×1
・一つの指輪×2
・ヴェールのリリアナ×2

OUT 8枚
・ネクロポーテンス×4
・怪物の災厄、チェビル×1
・鏡に願いを×1
・致命的な一押し×2

一巻の終わりはオーコなどへの私怨で採用したカードです。対策を講じてもPWは触りにくいので、このマッチアップは不利なままなんですよね。

③緑単(死者の原野ランプ)
IN 3枚
・帆凧の掠め盗り×2
・一巻の終わり×1

OUT 3枚
・鏡に願いを×1
・墓地の侵入者×2

これも基本的に不利です。「自然の秩序」を気軽に撃たせない事が大事ですね。その上で、「原初のタイタン」等に「一巻の終わり」を撃って相手の勝ち手段を減らしましょう。

しかし、タイタンの強さは土地を確実に伸ばすところで、タイタンに対処しても死者の原野は止まらないので本当に厳しい相手となります。

④同型(黒単ストームも含む)
IN 7枚
・真髄の針×2
・帆凧の掠め盗り×2
・黙示録、シェオルドレッド×1
・一つの指輪×2

OUT 7枚
・ネクロポーテンス×4
・鏡に願いを×1
・怪物の災厄、チェビル×1
・致命的な一押し×1
※相手の構築に合わせ、サイドアウトは考えます。一押しが当たる相手が多ければ残し、代わりに思考囲いを減らすとか臨機応変に考えます。

※相手がストームなら、「虚空の杯」もサイドインしたいところです。

ネクロポーテンスが相手なら「真髄の針」を使います。その際、自分のネクロも止まるので、指輪との交換は必須です。

載せる場面が無かったのですが、サイドボードに取った「帆凧の掠め盗り」はタイムレスではかなり強いです。黒含む相手との対戦で顕著ですが、タフネス2は「オークの弓使い」では落とせないんです。

スタンダードやパイオニアだとほぼ「思考囲い」で絆魂のある「大洞窟のコウモリ」が強いのですけど、気軽に使える1点除去である弓使いによって、殆どのタフネス1は居場所を奪われました。

タフネス2は強い

以上、簡単ながら黒単ネクロポーテンスのデッキガイドでした。今のタイムレスは果敢系が非常に多いので、果敢メタや勘所を押さえれば勝ちやすいと思われます。

おわりに

前年末のブログでは、MTGアリーナの構築ミシックランク達成の都度デッキを紹介できたら、と言っていました。しかし、今年はタイムレスの黒単だけがミシック達成でした。

私生活での忙しさが増したのも理由でしたが、単純にMTGアリーナを遊んでいる皆さんが非常に強いというのも大きかったです。

プレイモードでも、各チャレンジや大会での入賞リストとの対戦が増えました。プラチナ帯未満の構築ランク戦は言うに及ばず。非常に練られた構成・プレイングの方が増え、軽く遊んでいるつもりの方も相当に勉強と研鑽を重ねているのだと感じているところです。

私自身も、ゲームの本質を押さえて、楽しく勝つ為に色々な切り口を模索していけるように、今後も頑張りたいと思いました。

今年、X(旧Twitter)でのフォローをしてくださった方、今までフォローしてくださった方々のお陰で、未だに楽しくゲームが出来る事に感謝しております。今後はそれを少しでも返せたら、と思いますので、来年もよろしくお願いします。

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