代打のヒロイン

あまりアウトドアな人間じゃないので、部屋にずっといるのは苦じゃないと思っていた。が、それは外に出るのも内に籠るのも自由だからであって、どちらかしか選択できないというのはそれなりに苦なのかもしれないと気付いた4月の終わり。
こうも毎日狭くて(汚い)部屋にずっといるとやっぱりそれなりにネガティブな気持ちにもなってくる。このタイミングでバイトも辞めてしまい(いろいろあるので書けそうになったら書きたい、けどやっぱりいろいろあるから書かないかもしれない)ただただちょっと病んだ無職がこの世にひとり生まれた。
なんか天気も悪くなってきたし、なんにもやる気が起きないし、友だちにも嫌なこと言っちゃったし、今日はもうダメな日だなって感じでネガティブ大爆発してるから、どうせならとことんネガティブになってみようという今日は試みで文章を書きます。

いまテレビで野ブタ。をプロデュースの再放送をやっていて(新作ドラマの撮影が延期になってしまったため放送されているらしい)それを見るのが結構楽しみになっている。昔見ていたときはおそらく小学生くらいだったけど、ハマりすぎて原作小説を買ってもらった。
いま見ながら思うのは野ブタってヒロインなんだな、ってこと。野ブタ(信子)は暗くて地味ないじめられっ子だけど、野ブタはやっぱりこの世界のヒロインなんだ。それは堀北真希がかわいいからとかそういうことじゃなく。野ブタは修二と彰からも野ブタをいじめるクラスメイトからも気になる人物としてそこに存在している。(もちろんこれはいじめを推奨している文章ではありません。いじめは絶対だめ)
わたしは幸い野ブタみたいにめちゃくちゃいじめられたことはないけど、自分の人生でヒロインになったこともない。自分の人生を生きてるはずなのに、ふとした瞬間にわたしいま脇役だなと思ったりするのだ。

友だちと学校を歩いていると、クラスのイケメンに呼び止められて友だちだけメアドを聞かれた。友だちが告白されてるのを目の前で見たこともある。惚れっぽい幼なじみがわたしのことだけすきにならなかった。その辺はまあいいとして、妹と新宿を歩いていたら妹だけナンパされた。美人の友だちじゃないぞ、だいたい同じ顔してる実の妹だ。トイレに入ってるのに電気を消される。タッチパネルは反応しないし、自動ドアは開かない。いないことに気付かれず朝礼や会議がはじまる。大学の頃、同期のいつものメンバーとだべっていたらひとりがある男の子に何度も食事に誘われてちょっと困っているみたいな話をはじめた。すると他のメンバーも誘われていると言い出した。結局一度メールがきていないのはわたしだけだった。いや、そこはちょっと気遣ってくれや、興味なくても誘ってくれ。あー、見えてないのか。わしゃ空気か!

そういう、どうでもいいっちゃどうでもいいけど、まあ、全部飲み会のネタにしたけど、みたいな出来事が増えていく度、わたしはでもちょっとだけ悲しくなったりした。わたしもヒロインになりたい。

保育園のときお遊戯会で美女と野獣のベルの役をやった。正真正銘のヒロインだ。たぶんあのときのわたしはかわいかったし、いろんな人にほめられた。でも、わたしがベルをやったのは先生がベルに指名した子が「わたし箒の役がやりたい」と言って断ったからだ。保育園児なのに自分の意見をちゃんと持ってるその子の方がかっこいい。箒っていうセンスもめちゃくちゃいい。わたしも箒の役が魅力的だと思えるセンスがほしかった。人生ではじめてのヒロインは誰かの代わりだった。

長々書いたけど、モテない空気みたいな自分を自分でおもしれえって思うこともあって。結局最終的には全部酒か飯のときにネタにするんだから、たくさん集まったら打線組もうかな。対戦相手募集してます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?