『浦井が一人と「話」が三つ』を観た感想

  11月19日に上演された、男性ブランコ浦井さんの『浦井が一人と「話」が三つ』を配信で観た感想を書きました。
  配信は26日の12時まで購入、21時まで視聴ができます!!!すごくギリギリになってしまいましたが、とても面白いので是非!!!!!





以下、感想です。


『VR』
VRのメカが出てきたので、もしかしてえっちな話か?と思いきや、やっぱりえっちな話でした。
人柱伝説という主人公澤登さんの研究テーマはとてもヘビーだし、VRを見ているときに死を覚悟して走馬灯が見えてしまうという状況も、よくよく考えたらかなりシリアスなはずですが、それらと「すっごくえっちな夢」のギャップがとにかく滑稽で笑いました。
澤登さんのキャラクターも、全体的にちょっっとキモくて好きです。釈明に必死になっている様子や、彼女のじゅんこさんの過去を度々気にしてしまうところは、みっともないけどなんだか愛おしいです。
会話相手であるじゅんこさんは姿こそ見えませんが、澤登さんの台詞や動きなどから、表情や口調、性格の雰囲気がかなりクリアに想像できました。彼女が結構辛辣な反応なのも、澤登さんの残念さが際立って面白かったです(そんなに引かないであげてよとも思いますが)。

『広くなった部屋の中で』
寂しくなって元カノに電話をかけてしまう男の、そしてカップルだった男女の会話の描写がとてもリアルで、自分のことまで色々思い出してしまいました。ああ(別れてからいちども連絡を取っていないですが)。
主人公の須藤さんは、ちょっと頼りなさそうで、かつちょっと面倒くさそう(冒頭のマックへの電話でのやり取り)で、『VR』の澤登さんとはまた違ったみっともなさがありました。これまた愛おしかったです。
「ケチャップ」などのアイテムから、元カノの友人にストーカー疑惑が浮上して誤解が解けるまでの流れが美しくて、ヒョエェ……となりました。
終盤須藤さんが彼女の友人や彼女についてぶつけた本音は、無印のカレー以外は「分かる…」の連続でした。無印のカレーは美味しいからどうか許してあげてください……。

『手品』
何を着てもそれっぽく見せることができてその場に馴染める(※陽すぎる存在は除く)というスーパーストロングポイントを、浦井さんご本人が書かれて、かつおっしゃっているのが面白かったです。
「もし才能がなかったらどうする」「物事の表面だけなぞって、『ぽさ』だけで生きていくって決めた」という台詞は、個人的にハッとしました。そして、強い憧れゆえに、自分に才能がないかもしれなくても何かの世界で戦っていくことを「幸せな地獄」と形容されたのが、とても素敵だと感じましたし、勝手ながら、背中を押されたような気になりました。



幕間の映像で作家さん(神谷さん、蓮見さん)とお話しされているときや、最後に挨拶されているときの浦井さんと、澤登さん、須藤さん、田島さんが全員別人に見え、改めて、浦井さんのすごさを感じました。
これからも色々な浦井さんを拝見したいので、Twitterの感想にも書きましたが、来年も再来年も続けていただきたいです……!


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