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福島復興あれこれ:続々・国際研究拠点のこと

 国際研究拠点の理事長が発表になったようです。国立大学協会の副会長ということですので、アテ職のような形で復興庁から頼まれたのではないかと推察します。福島県側のトーンがずいぶんと下がっていますので、復興庁側のペースで決まったのだろうと思います。

 あいかわらず全国紙では話題になっていませんが、確かに、福島民友に掲載されていた基本計画案を見れば、これを大きな話題にするほうが無理というもの。地元側への配慮として、「高校生を研究助手に」という案を組み込んだようですが、若い方にとって楽しい内容になるとは思えないです。

 この規模ならば、復興予算がなくなった後も最低限の維持費は出るかもしれませんが、せいぜいが小さな研究所レベルなので、「国際研究拠点」の看板と名前ばかりが浮いてしまう感があります。

 地元側にイニシアチブをもたせれば、地元の利権層のエゴ権益要望ばかり、国の復興庁がイニシアチブをとればいかにもなおざりのお役所仕事になる、という、夢も希望もない顛末だったと思います。今回は後者の方の夢も希望もない顛末で決着がつく、ということでしょう。

 普通に考えれば、まともに復興に寄与する研究教育施設を作るとするならば、地元の福島大学をハブとして組み立てていくのが順当だったと思います。それをしないで、県立医大が前のめりにイニシアチブを取ろうとしたのが混迷の大きな理由のひとつだったと思います。福島県立医大と福島大学は「犬猿の仲」なので、このあたりが今回の顛末の背景にあるのだろうと思います。
 私は、県外出身で大学も福島とは関係ありません。福島医大と福島大学の関係については、税金で賄ってもらっている大学がなんたるみっともないことをしているのか、この人たちは公的教育機関の自覚がないのか、と呆れ返っています。学生さんたちが気の毒です。

 ハンフォード・サイトでは、研究施設のPNNLだけではなく、地元のワシントン州立大学もいい仕事をしています。あちらの組織同士の関係までは知りませんが、地元にもともとある大学を無視して研究機関を設立するというところからして、異常なプランだったとしか思えません。この先、国の予算が逼迫するに従って、やがて自然に解体されて消滅していくのではないでしょうか。

 

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