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読書記録14 ぼくがゆびをぱちんとならして、きみがおとなになるまえの詩集

私は斎藤倫さん(にわか)ファンだ。

『どろぼうのどろぼん』、『はるとあき』と読んで3冊目。
嘘だ。本当はこの本は『はるとあき』の前に読んでいた。でも、恥をさらすが、この本の良さが今の私には理解できないのだ。本に詳しい方数名に、素晴らしい本よ!と勧められ読んだのだが。

そもそも私は”文学”的なものが理解できない。短歌、俳句、詩のようなものも理解できない。自分の脳にこういったものを理解する部分がないと思うほど、理解できない。

でも一つ心にとまったのは、156ページ。

『きみは、あっというまに、おとなになる。
そして、さまざまなことを、わすれてしまう。
、、、、、
まるでまほうつかいが、ゆびを、ぱちんと、ならしたみたいに。
、、、、、』

そう、この本のタイトルが文中にあるページ。
人生って、そんなものだ。
いろんなことが、ゆびを、ぱちんと、ならしたみたいに起こる。
あれ?っと。
それが良いことだったり、悪いことだったり。自分だけに訪れない幸も不幸もない。ページがぱらりぱらりとめくられるように時が流れる。そして、本を閉じて終了。

どうやって本を閉じる?
あらがって、ページをめくらせないようにする?、急いで閉じてしまう?
私は156ページの最後の文章みたいに、自然に吹いてきた風で、自分の最期のページをふわっと閉じてもらいたいな。

この本は今の私には理解できなかったから。
これから何度も開いては、どう?と試すことができる。

こうやってずっと本棚に大切できる本はやっぱりオススメ通り、良い本だったのだ。

アンドエト  五十嵐

斉藤 倫 著 / 高野 文子 画
定価 : 本体1,200円+税
ページ数 : 160ページ
サイズ : 19×14cm
初版年月日 : 2019年04月15日
ISBN : 978-4-8340-8457-3


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