役に立たない秋田弁講座(#35く、け、こ応用編)
一緒に行こうよ。
と、訳したら良いのでしょうか。
秋田弁ではごく短い言葉で「あべ!」と言います。
決して目上の方や年上の方には使いません。
丁寧な言葉ではないと認識していた秋田の婆さんが
東京からいらしていたお客様にこう、言葉をかけました。
「あべ…ましょう。」
気持ちは痛いほどわかりますが、使用例としては間違いですね。
あべ。
これは「あんぶ」つまり、「歩く」「歩む」に由来すると思われます。
ここで思い出していただきたいのは
く、け、こ
この三つで会話が成り立つ秋田弁の優秀さです。
く=食べる(動詞)
け=食べなさい(命令形)
こ=食べようよ(お誘い)
かき、く(柿、食べる)
かき、け(柿、食べなさい)
かき、こ(柿、食べようよ)
このように「かきくけこ」だけで会話が成り立つわけです。
話を「あべ」に戻しましょう。
日常では、「一緒にいきましょう」という意味で使われていますが
これは「け」と同じで命令形の使用と考えられます。
あぶ=歩く
あべ=歩け
したがって、「まんず、あべ」の直訳は「先ずは歩け」ではなかったかと思われるのです。それが、次第に意思やニュアンスが加味されて「一緒に行こうよ。」という意味で用いられるようになったと思われるのです。
ではここからは応用編です。(く、け、こを思い出してくださいね
次のセンテンスを秋田弁に直してください。
①葡萄を皮ごと食べる
② 食べたいだけ食べなさい
正解は
①葡萄を皮まじら、く
あるいは
葡萄を皮まんじから、く
②くでヤ こりゃ、け
…全然訳せないですって?そうですよね。ちょっと難しすぎましたね。
発音は放送を聴いて確認してくださいね。
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