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たてもの怪談 加門七海

たとえば会社、スーパー、商店、娯楽施設に社寺、病院、駅すらもが建物だ。
そこを渡り歩いて帰っても、落ち着くところは一戸建てやらアパート、マンション、
最終的には火葬場、墓、と、結局、我々は建物に納まる。
人の生活は建築なくしては成り立たない。そこにお化けが棲みつけば、
当然、彼らは我々の日常に入り込んでくる。

 江戸時代の旦那衆は、女郎買いから盆栽、書画骨董を経て、最後に普請に手を出すと身上を潰すと言われたらしい。

 普請 土木工事,建築工事を指す。

 商売繁盛、身体健全、除災招福、家内安全、全てがつつがなくあるための家・・・
 それは、すなわち!!運のいい家である!
事に気づいた加門先生は、その家を探すべく探求した。
 
 運のいい家とは何だ?
から始まる話。

 加門先生の考えは
「運の良い家を見つけるのは、運の良い人、運の良い人と言うのは、勘の良い人、勘が良ければ、ラッキーな家が見つかる!!」

 だが運の良い人より、勘の良い人になるのはもっと難しい。

加門先生は初心に戻り、地道に物件を見ることにした。

 風水的に完璧な家は、最低でも100坪のきれいな長方形の土地が必要というのが、プロの意見だ。

 
  

 そして一番大事なのは氏神様。
氏神と言えば大家も同然、氏子といえば店子も同然。
運の良い家を探すなら、如何なる好物件でも、相性の悪い神様の土地に住むのはNGだ。

 氏神様に嫌われているかどうかは、おみくじを引けばわかる。

心の中で
「神様、神様、実は私、このたび氏子区域に当たります×丁目に引っ越しを考えております。そこで私は災禍なく平穏に暮らせますでしょうか?
 あの土地は私と相性がいいでしょうか。神様は守って下さいますでしょうか。どうそ、教えてくださいませ」

例えば、末吉なら
「ああん? 俺の縄張りで禍がないか?だと!!
お前なぁ,俺の守護が信用できないっていうのなら、氏子にならんでもいいんだぜ!!」

 大吉なら
「たとえ、外が嵐であろうと、家の中は春の如く穏やかに心地よいであろうぞ」
 こんな感じ。

 もちろん、末吉なら謝らなければならない。。

お祓い

 強力なお祓いは「笑い」と「性」。
陽の感情は「喜」と「楽」の表出である笑い。
そして「死」の対極に位置するのが、生殖行為。
これらのエネルギーはかなり強い。

 つまり、下ネタで盛り上がって笑うというのは、かなり、冗談でなく、お祓いになる。

 血の濃い家の人間は霊感が強い。

 

氏神様

氏神様と言うのは元々一氏族の祖先か、所縁の深い神様を指す。
今、氏神と言えば地域代表の神様を示すのが普通だが、本来加門家なら「カモンノミコト」という神がいてそれを氏神様と称して祀ったのである。


 

金屋子神社

  蹈鞴場(たたらば)は古くから金属精錬場。
そして蹈鞴場には一つ目の神、あるいは妖怪がいるという。

東京の風水

 江戸という都市は、城を中心に左回りの渦巻きを描いて発展した。
広大な関東平野を相手に、都市を設計するならば、規模の拡大に応じて渦巻きを広げる方法は、かなり賢い。

 渦巻きは形自体に呪術的な意味が含まれているし、なし崩し的に市街地を拡大するよう、全体的な計画が立てやすい。

 現代でも、渦の中心である皇居付近に政治機能が集まっているのは、そんな江戸時代の方法を引き継いでいるゆえである。
 そして江戸時代の呪術をも、東京が受け継いでいいる証でもある。

 


 箒というのは、本来、女性が用いる呪具で、神の宿るものである。
埃だけでなく、罪、穢れ、禍までも、箒は掃き清めるとされたのだ。
 箒は女性にとって、最強の魔除けアイテム。


  家というものは高い買い物であるが、それ以上に選ぶのが難しいという事を、この本で学びました。

 加門先生は否定されていますが、霊感がある方なので、感じやすいので余計に選ぶのに苦労されるのでしょう。
 
 他にも色々不思議なお話があり、とても面白かったです。
お化け屋敷には、行かないでおこうと思いました。

 この本はおすすめです。
夏にピッタリ!!」



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