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高雄の眷村へ: 中国近現代史の延伸と戦後台湾文化

昨日は高雄の眷村に行って来ました。

台湾島400年の歴史や、日本統治50年の歴史的文脈を共有しない、大陸中国の近現代史があの空間には継続していました。

1949年の朝鮮戦争勃発、アメリカの戦後東アジア支配戦略は、台湾の国民党支配を利用して、共産中国の拡張を阻止することに主眼があったようです。その為に国民党政権に軍事資金援助し続けたのでした。

これにより、たとえ台湾社会がどうあろうとも、蒋独裁政権の延命と強化につながることとなります。

1945年以降、または日中戦争が勃発する1937年以降、あの文化様式、台湾に本来あった、日台両文化の融合と発展の中に育まれていた、南洋と福建広東、コロニアル洋式にある西洋文化、そして日本文化は、あの国共内戦の大陸中国の覇権闘争の渦の中に飲み込まれてしまいました。

蒋介石は社会、国家を健全に運営する類の政治家ではなく、軍人であり、戦時の将軍であり、それは人々をたやすく犠牲にできる人物でした。

台湾文化の創出と発展は、強硬な軍事政権による戒厳体制の中からスタートしなければならなかったのです。

戦後、葉石濤は、そんな逆境から文学の灯火を絶やさず創作し続けたのです。

台湾文創は人間精神の破壊から、まずその損傷を癒すこと、そして過去を見つめ、再起することを始めたのです。それは人間に宿る精神の本来的な再生能力の発露であるのかもしれません。

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