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日本ハンドボールリーグ 男子第6週 ゴールデンウルヴス福岡 v トヨタ紡織九州 マッチレポート

日本ハンドボールリーグ男子は各チーム1回戦の後半を迎えている。
その中、今季から参入したゴールデンウルヴス福岡とトヨタ紡織九州の九州ダービーの初戦が9月17日アクシオン福岡で行われた。
ウルヴスは福岡県がホームタウン、トヨタ紡織九州は佐賀県神埼市にホームタウンを構える。
まず率直な感想を書くと「ダービーマッチ」としてはちょっと寂しいお客様の入りだった。
観衆が205人。
せっかくの「ダービーマッチ」なのだからもっと事前のパブリシティやPR活動を積極的に行ってもよかったのではないだろうか。

ゲームはウルヴスが前半しっかり食らいついていく展開となった。
ウルヴスのエース伊藤が連続得点で主導権を握る。
これに対し紡織九州は田中大介や梅本がショットを打つが決まらない。
ウルヴスはこの試合は3:2:1DFを敷いて紡織九州OF陣が攻めあぐねた。
紡織九州は立ち上がり7分あまり無得点となる。
しかしウルヴスは15分までの8分間では紡織に5−2と走られる。
ここからはトランジションゲームに。
紡織九州の7人攻撃のターンオーバーから伊藤のファストブレイクが決まったりサイドの庄司が決める。
山中基監督は「思い切ってショットまで行け」と鼓舞させた。
紡織九州はようやく日本代表のポストプレイヤー酒井にボールがようやく入りじりじりとリードを広げたいところがウルヴスはしっかり食らいつく。
前半は10-12で折り返す。

紡織九州のキム・ミョンへ監督は後半に入って前半の課題を修正してきた。
シンプルな攻撃に変え、田中大斗や三重などのフローター陣がショットを決める。
一方のウルヴスは伊藤にボールを集めるが枠を捉えられなくなってきた。
5分過ぎからのパワープレイも7mスローを外したり、
得点を挙げられなかった。
山中監督はタイムアウトで「セットOFで足が止まってる。しっかり足を動かせ」と指示をするもおよそ20分間無得点に終わった。
紡織九州はキャプテンの荒川や
昨年のインカレで準優勝した福大卒の清家、天理大卒の岩見のルーキーらが加点し
終わってみると14-28とダブルスコアとなった。
しかしウルヴスは今シーズン初めて失点を30を下回る結果となり
少なからずの手応えをつかめた対戦となった。

<試合後コメント>
◯トヨタ紡織九州
キムミョンへ監督

福岡の3:2:1DFの予測はしていた。
ちょっと相手に合わせてしまった。
ひとりひとりのプレイができなかった。
DFからの速攻で決めなさいと指示した。
動きながらプレイすべきところをパスから逆速攻を受けたり
受け身な形が多かった。
プレイタイムの少ない選手でも経験を積ませたかったが
プレイスタイルが少し変わってしまったのはあまり良くなかった。
後半の立ち上がりに荒川の3連続得点は評価できる。
うちはエンジンがかかるのが遅いのでできるだけ早い時間帯でできるようにしたい。
この2週間で4試合のスケジューリングは個々のケアが重要。
ベンチでも出たくてしょうがないという選手もいるので
こんなときこそ出したのはスターターの選手には勘違いして欲しくない。
韓国人選手とのミスコミュニケーションはあまり違和感がなかったと思う。

RW 荒川蔵人主将
期待の大半は大勝するプランだったが
実際には自分たちの気の緩みや若さなどが顕著に現れた。
福岡の3:2:1DFに対してパスやショットなど思ったより寄りが速くて
それに対してコンマ何秒ボールを持ち過ぎた部分があった。
自分たちができることをやることをハーフタイムで声かけした。
失点を抑えることをまず考えて
そこから切り替えとリカバリーの速さを後半立ち上がり意識した。
次節のトヨタ東日本とは昨季も1勝1敗1分で最大のライバルでもある。
ホーム神埼の準備をしていきたいと思う。

LB 岩見海里
PVのポジションで試行錯誤している中、リズムはつかめてきた。
練習中から酒井から学ぶことはたくさんある中、
自分がどのように点が取れるかヒントを得ている。
途中交代でチームのために仕事ができるかが一番重要だと思う。
姉の佳音(三重バイオレトアイリスGK)には負けないようにがんばりたい。

LB 清家卓也
絶対緊張すると思っていた。
いざコートに入ると大学とは違った緊張感があった。
初得点については出遅れた分、先輩たちも喜んでくれた一安心した。
肩の傷みについては少し少しずつ前に向いている感がある。

PV 酒井翔一朗
シンプルに攻めようと思っていたがみんなバラバラだった
この前のトヨタ車体戦で出し切ってしまって中だるみがあった。
そうしてしまうとあとあと響いてしまうので修正したい。
次の東日本戦は一番のライバルで車体戦よりも一番の勝負だと思う。
代表合宿から帰ってきてどの所属でもうまくフィットできるようになったと思う。
玉川・笠原などとタイプが違うので楔となるポジションだと思う。
国内だと個人技でいけるが
海外だとバックプレイヤーとのコミュニケーションを取らないと得点が取れないところが課題。
PO争いは本当に似通っているので僅差での試合を勝てるかどうかだと思う。
そこが挑戦していきたい。

●ゴールデンウルヴス福岡
山中 基 監督
今回はサイド勝負だと思っていたが完全にショットを開けられてしまった。
山川のトップに両45度に合わせて行こうということは選手たちに一任していた。
後半は相手が対応してきた。それに対して自分たちが対応しきれなかった。
後半足が止まってしまい速い展開だとチャンスがあったがOFが単調になってしまった。
前半のメンバーは及第点が与えられると思うが、
ベンチメンバーが同じテンションで入れていないのは課題。
フル出場した稲本については前半はよく頑張ったが、流れを変えるために起爆剤でGKを変えなくてはいけなかったのは自分の采配ミス。
コラソン、紡織九州、ウルヴスと九州3チームが切磋琢磨して戦っていく中で
自分たちがもっと強くなってアピールしたい。

GK 稲本 圭亮
ドイツから帰ってきてからフルタイム出場ははじめてだった。
前半は攻守ともにがんばった。
後半は4点しか取れなかったのはそこからのリズムに乗れなくて逆速攻を決められ
崩れてしまうのは今後の課題だと思う。
ケガ人が戻ってきた中で点差が開いたものの今季一番いい内容のゲームだったと思う。
連戦が続くのは経験がないので各自ができるケアをして
万全のコンディションで戦いたい。

CB 野口智秀 主将
前半は粘れたが体力面などを突かれて点差が開いたと思う。
自分たちのやり方ともしてはロースコアで行きたかった。
相手OFが3:2:1DFにハマったと思う。
自分たちが与えられた試合は限られているので
そこのステップを一段上がれるようにしたい。
やることは粘ったDFから頑張っていきたい。


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