【JaSST Review'19 レポート】【セッション2】レビューツールの利用とプロセスのあり方

公演概要

スピーカー:岡野 麻子さん(三菱スペース・ソフトウエア)

セッションの内容:

ソフトウェア開発の中で、レビューは多くのプロジェクトで実施されます。ツールを利用される方もいらっしゃるのではないでしょうか。「なんでこのツールなんだっけ?」のような疑問を持ちながら利用していることはありませんか?
その疑問・違和感は、なぜおきているのでしょう?
利用したいシーン・動機(問題・課題)に合致した目的・用途ごとにレビューツールの強み・弱点をしり、選択・利用する必要があります。
私が所属するSEPGでは、ツール利用の推進も行っております。
その際にどのような点を考慮しているか、現場ではどのような課題が多いのか、についてお話させていただきます。
レビューだけではなく、他のプロセスでも共通する考えでもありますが、レビュープロセスに照らし合わせて、一緒に考えていきましょう!

最初に持っていた疑問

そもそもレビューツールとして挙げられるものが何でしょう。Github? Jenkins? CircleCI? そのどれでもないのかな。

どんなツールでも、目的に応じて使い分けないと価値を発揮しないのは分かります。ツールを知ることと、その使い分けとを同時に覚えられると良いかな。

セッション内容

具体的なレビューツールの話というよりは、プロセスカイゼンの話でした。

カイゼンしたい課題を拾い上げ、目標を設定し、カイゼン策を打ち、効果測定を行っていく中での気をつけられているポイントについて、うまく抽象化して話されていました。

達成したい課題は何かを考えることと、その課題についてチームの問題意識を揃えることが大事と仰られていて、当然のことだけども難しい問題だと再確認するなどしました。

またその課題を集めるため、チームとの対話の機会を増やして、愚痴を課題に引き上げる事も大切にしているとのこと。

ソフトウェア開発における品質、コスト、スケジュールの主決定要因は「人」、「技術」、「プロセス」であり、その3つすべてに手を入れないと「カイゼンの歯車」は回らないと仰られていました。

疑問に対する答え

セッションを聞いただけでは消化不良気味だったのですが、後の後のパネルディスカッションでの質疑応答を聞いて、考えが変わりました。

質問では岡野さんが使用している具体的なツール名を質問されていたのですが、「ドキュメントツールならWordの校正。聞きたいのは何か課題があってそこにあったツールは何か、ということだと思う。具体的な課題を教えてくれれば、おすすめのツールを言える」と仰られていたのが印象的です。

ツールは課題に応じて選ぶものなので、ツールの紹介だけしてもあまり意味が無いんですね。

感想

具体的にツールでこういう問題が解決するぞ! ○○ツールは必須だな! っていう話を期待していたのですが、そんなものはないってことですよね。

銀の弾丸は無いということを繰り返し言い聞かせるし聞いていながら、ついついツールという響きには導入するだけで開発環境を一段階上のものに引き上げてくれそうな期待を抱いてしまいがちです。

極論今回の話は、ツールでもレビューでもなく、開発現場で起きている問題を解決するための基本概念であったと思います。

そして誰もが理解していながらも、定期的に思い返しておかねば忘れることでもあります。

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