JaSST Review'21 参加レポート1 三越伊勢丹におけるデジタルサービスのつくりかた

JaSST Review'21に参加してきたので、参加レポートです。

http://jasst.jp/symposium/jasstreview21.html

(追記)
登壇資料の公開が始まりました! ぜひ読みましょう!

セッション前に期待したこと

- 大企業でスピード感持って、というまさに「言うは易く行うは難し」を実現しているということで、その方法をinputしたい。
- セッション内容に記載があった『お客さま、意思決定者、開発チーム、売場のすべてのバランスを取る』というと、結局どのステークホルダーにとっても不満足なものが出来上がるのではないかと邪推してしまう。そうならずに済んでいるのか気になる。

セッション中メモ

- 2020年10月の内部リリース以降、毎週リリースしている。
- アジャイルに進めるポイントは「いい感じの調整」、過剰な説明や資料が不要かつ、判断が持ち越されないようにすること。そのためのキーワード「とりあえずこれで/先週と状況が変わったので/あとはこっちで決めます」

- 「とりあえずこれで」 -> サービスが試行錯誤中なら開発も段階的に。1ヶ月で20点ずつ確実に取る。2ヶ月で40点取っていく。1案件の開発規模は最大でも2ヶ月、10人月程度(10人月でもでっかいな......そこはさすが大企業)
- 案件の優先順位を決めるため、週次の意思決定MTGを実施している。この時優先順位の判断軸をステークホルダーで「売上」に揃えておくことでスムーズに決定される。
- 「先週と状況が変わったので」->意思決定を俊敏にするための思考。意思決定MTGで決まった事も、翌週同じ判断軸で覆ることもある。
- 「あとはこっちで決めます」-> ステークホルダー毎に合意事項の粒度が異なるので、ステークホルダーに合わせたデザイン手法がある。

- 「エピック」-> 機能ではなく目的で/誰にとっての課題なのか/具体的な実現手段までは書かない(実現手段まで書いてるのよくみるけど、書いてしまうと目的の部分がボヤけるのでなるほど)。実現手段はサービスブループリントに書く。
- 「サービスブループリント」 ->現場(とお客様)向け。誰がいつ何にどのような、を時系列でわかるようにする。各ステークホルダーが目線をあわせられる粒度で整理されていることが重要。またやらない事も明示する。
- 「受け入れ条件」->機能ではなくユーザー体験(ストーリー)を伝えて、この実現手段は開発チームの領分。

セッション後感想

多数のステークホルダーを「売上」という共通した判断条件でまとめ上げるのはとても良さそう。
ここのバランスを取るのはPOの能力に大きく依存してしまいそうな所もあったが、志向しているものは分かった。

デザイン手法3つに関しては基本に忠実に実行していったという話だったかと思うが、これをきちんと出来ていない現場の方が多そう(エピックに実現手段まで書いてしまうのあるある......)。

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