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【認知症介護】病気を見つけない選択

大学病院を受診

現在90歳の母がアルツハイマー型認知症と診断されて、かれこれ、13年になる。

大学病院の物忘れ外来で診てもらい、検査の結果、アルツハイマー型認知症と診断された。

そのころは、認知症に適した薬は一種類しかなく、
それを服用するかしないか、家族が選択する必要があった。

服用すれば認知症が改善されるというものではなく、進行を遅らせる可能性があるとの説明も受けた。

改善されないのであれば、服用しない方が体のためにはいいのかなと思ったが、進行が遅れるのであれば、それは本人にとって、望ましいことだろうと思い、服用することを私が決めた。

その後、もう一つ、認知症に適した新薬が出たと説明を受けた。新薬なので、データがなく、適合しない人の場合、服用すると、認知症が進行してしまう場合もあるとの説明も受けた。

私は、新薬に賭ける思いで、新薬を服用させることを決めた。

近所のかかりつけ医を受診


大学病院への通院は、3年くらいだっただろうか。

大学病院に通院し続けても、進行状況の確認と同じ薬を処方してもらうだけということを悟り、近所のかかりつけ医へ通院の変更を決めた。

近所のかかりつけ医は、母が若いころから風邪をひいた時に受診している病院で、事情を説明すると、
よく理解して貰えた。

近所のかかりつけ医では、初診扱いで、血液検査などで母の体調を綿密に調べてくれた。

その結果、高血圧ぎみであったり、ちょっとした不調が数値上から見られるということで、認知症関連の薬プラス血圧関連の薬がプラスされた。

かかりつけ医に通院し始めて2年経ったころだったか。

母が83歳ころだった。

かかりつけ医は、「お母さん、歳だし、検査して病気を見つけるというのは、かわいそう。見つかったら、検査、検査、検査だし。検査に時間を使うのはかわいそう。娘さんはどう思う?」

私は、「私もそう思います」と答えた。


病気を見つけない選択をしてから7年。

母の身体には、病魔が潜んでいるかもしれないが、
今年も、元気で春を迎えることができた。