備忘録(24/9/2~6)


まず結論から。
・雇用市場減速
・からの謎の総悲観
・利下げ幅は25bpsがコンセンサス
・目先景気を測る指標は小売り


■今週の振り返り

まず週明け(月初め)の動きとしては、レイバーデー明けで投資家が戻ってきて手じまいなどのポジション整理が入っているよう。つまり買われたものは売られて、売られたものは買い戻されてる動き。なので水曜日以降の値動きのみにフォーカスする。

SPX日足


ISM製造業

出典:Investing

景況指数は先月よりやや改善するもコンセンサス下振れ。依然50を下回る水準ではあるが、長いスパンで見ると底打ちの様相を呈しており利下げが織り込まれてる現状これ以上の悪化は見込みづらいか。

雇用指数

雇用指数は若干持ち直し。このまま水曜JOLTSの上振れ想定していたが…


JOLTS

JOLTS vs indeed

810Mのコンセンサスに対して767Mと大幅下振れ。予想以上の悪化に強めの金利低下・ドル売りの結果となった。ただindeed求人にさして変化なく、乖離するとindeed側に収束しやすい傾向があるため一時的なものとも見れる。

ADP
大きく下振れ。とて雇用指標としてはほとんど信用ないので割愛。ちなみに賃金トラッカーだけ見ておくとほぼ変化なし。

出典:ADP® Pay Insights


失業保険申請件数
微減。底打ち感は否めずこれも雇用市場の鈍化を示唆している。

出典:Investing


ISM非製造
コンセンサスに対して若干上振れ。直前のADPで悲観された分を巻き戻す結果となった。

ただし雇用については若干減速。


雇用統計

雇用:予想16万、結果14.2万
失業率:予想4.2%、結果4.2%
時給:予想3.7%、結果3.8%

予想に対して雇用者は減少、失業率は予想通り、時給は増加の結果。
(ついでに前回値は大幅下降修正)
まとめるとこんな感じ。緑が時給で赤が失業率。

前月比で見れば持ち直しだが、コンセンサスに対しては強弱入り混じる結果。雇用は減って時給が上がってるので雇用形態に変化があったかと確認するが、パートタイマーの数が上がっているだけでこれも好材料とは言い難い結果となった。(下図)

パートタイマーvsフルタイム



■来週の展望

現在のFF金利の織り込みは25bpsが優勢となっている。

FF金利予想


来週水曜はCPI
コンセンサスは前年比から鈍化の想定。コアは据え置き。
インフレはほぼ退治済なのでノーイベになる予定。目下住宅関連の指標も上振れを示唆するものはない。

全品目vs家賃


木曜はPPI、ミシガンと続くがどれもデータ確認するだけのイベントとなるだろう。

足元の先行きとしては、利下げが確定的になっており、どの程度の下げ幅かが論点となっている。企業が設備投資を行うにしても利下げが始まってからでよいと考えるのがナチュラルに思えるので、相場の方向感はFOMCを確認してから出てくるものと考えシーズナリティ優位の展開をメインストリームと据えておく。


■テクニカル

SPX・SOX日足

今週の指数は終始下落。半導体関連から資金が抜けているようでSOX指数は8/7に付けた最安値にトライしようとしている。SPXが最安値に攻めてくるようであればSOXは割ってもう一段下までくるのではないかと思っている。チャートの形だけ見るとあまり強さを感じられない。

SPX日足チャネル

またSPXはチャネルのミドルライン付近にいる。ここを割ってくるようなら5000が見えてくる。ちゃんと検証したわけではないが、この時期は例年10%前後落ちている印象があるため射程圏内ではあるように思う。

NAAIM指数

NAAIMはだいたいレンジ中央付近。

F&G

F&Gは悲観寄り

ダウ日足
ナスダック日足

個別に見るとバリューグロース共に9月に入ってから売りが入っている。前半はいくらか強く出るイメージだったが、思ったより初動の下落が強い。直近の値動きだけで見ればそこまで強さを感じられず、金曜はNYの引けまでずるずる売られ続けており、来週も引き続きこれを継続するイメージ。

株は来週は引き続き静観。また、大統領選もあるため中々読みづらいところではあるが、9月下旬~10月頃に底固めの動きを確認してきてから考えても十分間に合うと考えている。

ドル円

ドル円日足

下目線は変わらず。短期天井を149円として直近のサポートになっていた143.8円(黒水平)を割って8月前半の最安値付近で週を終えている。

で、次の安値141円と138.3円付近(白水平)を攻めてくる展開を予想。ざっくりN計算値的に138円までは落ちてくれると分かりやすい。(青ボックス)

簡単なのは143.8円からの戻り売りではあるが、そのままスルスルと落ちていくようであれば臨機応変に対応したい。イメージとしては↓

ドル円5分足

ただ円買いの材料はなく、結局ドル次第だと思っているので、拾うにしてもあまり握らず短期でサクサク利確していくイメージで立ち回ることを心掛けたい。


ゴールド

ゴールド週足
ゴールド日足

先週からの見立て通り下は底堅く、上値を更新するほどの出来高はつかない、わかりやすくレンジ展開。気にしていた2472ドル(黒水平)付近の価格帯の打ち込みが思ったより強い印象を受けた。

個人的には株が死ぬタイミングで一緒に落ちていくと踏んではいるもののそこまで落ちるイメージもない。仮に抜けたら2450、次に2415~2425付近(青ボックス)が見えてくるがこれは来てから考えても全然いい。

シルバー日足

シルバーも短期的には落ちそうに見えている。

地合い的に売られる理由があまりなく、直近では中国の金需要の回復しつつあるとかなんとか。基本的にはロングしていきたいが、株下落からの換金売りにだけは注意したい。

シーズナリティ的には一旦押してもおかしくはないので浅い押し目は拾わず強めの清算が入るのを待ちたい。

まとめると、
株はノータッチ、為替はクロス円ショート、ゴールドはレンジ想定でロング優位で立ち回る。
日経は今の地合いで買っていく優位性を感じられないので割愛。
来週の初日はトレンドを継続すると見ているので初日クロス円ショートを狙ってみたい。

先行きとしては、インフレは退治済、雇用は減速ときて目先焦点となるのは消費となり小売が注目されるだろう。ここで消費の強さを再確認できるようならFOMCを起点に株は強さを取り戻すのではないかと思う。


今週は以上。

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