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内頭蓋底の孔と通過する神経・血管 効率良い記憶法

内頭蓋底の孔と通過する神経・血管についての効率良い記憶法についてです。説明動画も合わせてご活用ください。

説明動画

まず孔を通過する脳神経に関して番号でくくって覚える

画像1

内頭蓋底の孔と通過する神経・血管について、効率良い記憶法についてお話していきます。

内頭蓋底の孔、沢山あり通るものもいっぱい。漢字のまま覚えようとするとなかなか覚えられません。覚え方のコツをお話いたします。内頭蓋底の孔を通過するものは、まず脳神経に関して、番号でくくって覚えます。

そして、いきなり全部ではなく、血管と神経をわけます。まずは脳神経だけ覚えます。

脳神経は上からでる順番に番号が振られています。だから同じ孔を通る神経に関しては、番号がとぶことはありません。三叉神経だけ3つにわかれ、別な孔を通過します。

まずは、複数の神経が通っている孔について、おさえていきます。

・上眼窩裂:III, IV, V1, VI
内耳孔:VII, VIII
頚静脈孔:IX, X, XI

番号でくくると、覚えるのに必要な数がへります。電話番号もそうですよね。
かたまりにして覚えます。これを記憶法でチャンク化といいます。

残りを埋めていきます。
IIとXIIに関しては覚えるまでもないですよね。

II 視神経:視神経管(当たりまえ)
XII 舌下神経:舌下神経管(当たりまえ)

I 嗅神経
これは篩骨篩板を通ります。鼻腔の後上方、嗅粘膜より片側十数本の嗅神経が起こり、篩骨篩板を通り、大脳の嗅球に接続します。

さて、残りはV2, V3ですね
V2 上顎神経:正円孔
V3 下顎神経:卵円孔
「正に上顎
   下顎に卵」

これで全ての脳神経が埋まりました。

血管を加える

次は、血管を加えてきます。

視神経管には眼動脈が通っています。その後網膜中心動脈となり眼球内へと入ります。
上眼窩裂には上眼静脈が通っています。
棘孔には中硬膜動脈が通っています。これは顎動脈の枝です。

頸動脈管には内頸動脈が通っています。
頸静脈孔には内頸静脈が通っています。
これは、名前通りですね。

そして最後に大後頭孔
脊髄と椎骨動脈
が通過しています。

これで表がすべて埋まりました。

それぞれの孔がどの骨にあるか?

番号を基準として覚えると、その孔がどの骨にあるのかも分かり易くなります。

ポイントは
VII, VIII 内耳孔 です

耳は側頭部にあります。
だから内耳孔は側頭骨。

これが基準となります
VII, VIII 内耳孔-側頭骨
を基準として、それより上か下かで考えます。

I 嗅神経 篩骨篩板
これはそのまま覚えて下さい。

II~VI これらが通過する孔は、側頭骨の上、蝶形骨にあります。
つまり、視神経管、上眼窩裂、正円孔、卵円孔、棘孔は蝶形骨に開いた孔ということです。

VII, VIII 内耳孔の下
IX, X, XI 頸静脈孔は、側頭骨と後頭骨の境界に開いた孔です。

そして舌下神経管や大後頭孔は、側頭骨の下ということで、後頭骨に開いた孔です。

基準を覚えて、上か下か

ゴロ、チャンク、法則性
工夫をかさねて、効率良く覚えていって下さい。
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図で孔と通過するものを再度確認します。
この絵ですと、少し小さいので拡大いたします。

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では改めて図で確認していきます。

・篩骨篩板:I 嗅神経
・視神経管:II 視神経, 眼動脈
・上眼窩裂:III 動眼神経, VI 滑車神経,V1 眼神経, VI 外転神経,上眼静脈
・正円孔:V2 上顎神経
・卵円孔:V3 下顎神経
・棘孔:中硬膜動脈
・破裂孔:大錐体神経, 小錐体神経
 ※ 頸動脈管は破裂孔の後壁に開口
・内耳孔:VII 顔面神経, VIII 内耳神経
・頸静脈孔:IX 舌咽神経, X 迷走神経, XI 副神経, 内頸静脈
・舌下神経管:XII 舌下神経

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※ ここで脳神経の名前と番号がまだ一致していない方は、一日も早く、名前と番号を覚えてください。まずは表にして手元に置き、過去問を解く時などで、脳神経が出てきた時にローマン数字をふる習慣を付けます。たとえば「顔面神経」と文字を見かけた時には、「顔面神経 (VII)」というように隣にVIIとふります。番号と名前が完全に一致したなら、もはや番号を振る必要はありません。

【画像】内頭蓋底の孔と通過するもの

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