ミライノオトモニターNo.20「そこはもう、知っている場所」
目を開けると、目の前に白い扉があった。
重厚なアンティークの扉には、珍しい取手がついていた。
鈍く光る黄金色、緻密に装飾された植物と龍のモチーフ。
豊穣、という言葉が浮かぶが、それがどうにもチープな感じに聞こえてしまうほど、その存在感は圧倒的な光を放っていた。
そっと取手に手を添えてみると、ぞわっ、と体が震え、下腹部からじわりとした感覚が始まり、それが全身を駆け巡り、わたしを包む。
その体感を存分に感じながら、手にそっと力を入れ、取っ手を押してみる。
意外なほどするりと