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すべてのキャプテンは、菩薩かカーウボーイである。

私の担当している路線は、ニュージーランドの国内線で、長い路線で2時間、短いのになると20分なんてのもある。20分ならいい。離陸したら、話す暇もなく着陸の準備に入ってダーンと、いや、フワッと着けて終わりだ。問題は、2時間のやつだ。

何が問題って、人間としてソリの合わないキャプテンと飛ぶ2時間は拷問だと言う話だ。しかも、当然日本語ではなく英語で密室なので、コミュニケーションに使う労力は日本語でのそれに比べて、そもそも大きい。性格が合わない輩と、英語で、密室で、2時間、一緒にいる様を想像してほしい。

疲れる。。。

先日も、首都のウェリントンから、インバカーギルという最果ての地へ、2時間かけていく便をやった。

いや、長い。私にとって2時間はロングホール−長距離路線−だ。昔は国際線のでっかい飛行機に乗ることにも憧れたものだが、今の所、自分がそんな長い間コクピットに座っている姿は、想像もつかない。

それでも、性格の合うキャプテンならまだいい。フライトに関わること、関わらないこと、話題にかかわらず、何かを質問して、そこから展開した話題から質問されるという状況が維持される。先回も書いたとおり、ほんとうに興味があるかどうかは別として、初めて会う人とは、一定の情報量がやりとりされたという事実そのものがコミュニケーションとして重要なのだ。

ところが、ソリの合わないキャプテンとは、もう面白いくらいに話題が無くなる。興味がないどころか、話すこと、話題を提供すること事態に抵抗感を抱くようになる。どんなキャプテンとそりが合わなくなるか。一言でいえば、急ぐ人。正確に言うと、急ぐことを強いる人とそりが合わない。

今まで飛んできて、キャプテンには2タイプあると思った。「カーウボーイ」と、「菩薩」だ。

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