関曠野『フクシマ以後 エネルギー・通貨・主権』

「私も非力ながら70年代までに果てしない経済成長の根本には利子の問題があるという結論には達していた。だが銀行マネーが負債として経済を動かしていることには考えが及ばなかった。ケインズ左派的に投資の社会化は考えたが信用自体の社会化は視野の外だった。利子と負債の銀行マネーを公共事業として発行された管理されたる公共通貨に置き換え、ベーシック・インカムによって生産と消費をマクロで均衡させるクリフォード・ダグラスの社会信用論を知ったのは、今世紀に入ってからである。70年代にこうした通貨改革の思想を知らなかったことが残念でならいない。これこそ70年代の運動に一貫した堅固な基盤を与えたはずの経済分析であり政策指標なのである。」

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?