『グローバル・グリーン・ニューディール』8

今からわずか5年か10年後、石油の需要がピークに達し、中東から北アフリカ一帯で大混乱が起きることを想像してみていただきたい。
われわれは今や「変曲点」に到着している。すなわち、新たに代替エネルギーのプロジェクトを建設し運営する方が、既存の従来型発電所を維持するよりコスト効率が良いケースもあると言うことである。
このようなレポートが出されている現在、化石燃料関連の座礁資産問題は、気候変動に関する議論にとって欠かすことのできない部分となっている。
大半の金融機関は気候変動を長期にわたって影響及ぼす現象とみなし、現時点で行われる金融投資には関係がないと認識していると述べている。言い換えれば、すでに大転換が起き始めていることや、2020年代に臨界点が迫っていると言う、いくつかの大手エネルギーコンサルティング会社の予測についての理解は、ほぼ皆無だということだ。
「実のところ機構関連のリスクと低炭素経済への転換は、エネルギー部門だけでなく、ほとんどの経済部門と産業に影響与える」とした上で、向こう80年間にグローバルな管理可能資産の総額に対するリスクは最大で43兆ドルに上ると言うエコノミスト・インテリジェンス・ユニットの調査結果を引用している。

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