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自分のセンサーの、かすかな揺らぎ

何かを見たり聞いたりしたときに、自分でも意識できない程度で、でも後で振り返ると何かを感じていたような、そんなかすかな揺らぎが自分の中にあるセンサーに起こることがある。

それはとてもかすかだから、その時の自分の世界を他の大きな何かが満たしてたり、強く気持ちが引き寄せられる物が存在していると、その揺らぎは何もなかったのようにどこかへ霞んで消えてしまう。

けれども、そんなかすかな揺らぎを見逃してはいけない。なかったことにしてはならない。他の引力をどうにか退けて、手を伸ばして掬い取ってあげなければならない。
そうじゃないと気付かない間に、確かに存在していたはずの「自分」がぽろぽろとこぼれ落ちて、いつの間にかどんな形だったかも分からなくなって、行く先も知らずに「波に流されて漂う存在」になってしまうかもしれない。
自分がそう自覚しているか否かに関わらず。

もちろん、実際に自分のセンサーが僅かにも揺れなかったことへの衝撃をくらうこともある。
そんなときは、その時点での自分には感知するための土台すらなかったのだと素直に受け止めて、新たにその部分の土台を築き始めよう。

その繰り返しで、「自分」という土台を少しずつでも豊かにしていきたい。
何があっても動かないような堅牢なものじゃなくていい。きっとそうじゃない方がいい。
簡単ではないけれど、意味のあることだと思っている。

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