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DTCのブランド別広告費を調査してみた

Googleアナリティクスのコンサルティングを通して、アメリカのクライアントが利用しているツールとGoogleアナリティクスの連携について調査する機会がしばしばあります。

特に、Direct to Consumer(DTCやD2Cと訳されてるのをよく目にします)と呼ばれる、卸売業者を挟まずに独自で販売チャネルを持つメーカーやブランドがよく利用しているeコマースプラットフォームのShopifyを使っている会社からの、Googleアナリティクスのデータ不整合等については、よく問い合わせを受けます。

そんな流れでShopifyについては注目して見ているのですが、大好きなPodcastの1つであるbackspace.fmにゲスト出演されていた市川渚さんがAnchorで配信されているPodcast、The Potluck Castの最新エピソードで取り上げられていた記事について興味を持ったのでちょっと調べてみました。

取り上げられている記事の概要

・MediaRadar調査会社の2019年の調査結果によると、DTC企業の広告予算が前年比で+50%になっていることが判明。
・2019年第二四半期のデータによれば、少数のブランドが使う広告予算の影響が大きい。
・そのうち5社の広告予算は、残りの調査対象の全てを合わせた金額を上回ると言う。
トップ10社のDTC企業
1. SmileDirectClub
2. DoorDash
3. 23andMe
4. Poshmark
5. UNTUCKit
6. Touch of Modern
7. Hims
8. Casper Sleep
9. Stitch Fix
10. ThirdLove

※The Potluck Castでは、これらの企業がどんな企業なのかと言う点についても触れられていましたがここでは割愛。

いくら使っているのかが気になる

と言うわけで、SEM Rushのデータをもとに、上位10社のGoogle広告投下予算を算出してリスト化し、順位を比較してみました。

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調べてみた結果気になったのは、フォーブスの元記事にある順位と、SEM Rushのデータをもとに算出した順位に大きく乖離があるブランドがいくつかあること。

例えばフォーブスの記事で1位のSmileDirectClubは、SEM Rushで見ると3位になります。

この差について考えられる順位の差の理由としては、マーケティング予算に占めるGoogle広告への依存度があると思います。

SmileDirectClubの場合

SmileDirectClubは上場銘柄かつIR情報に「Marketing and selling expenses」、つまり日本で言う「販売促進費」に当たる項目があるので、これを引き合いに考えてみます。

2019年第3四半期の損益計算書によると、7月8月9月の3ヶ月で計上されている金額は、
・Revenue, net(売上):約$169M(日本円でおよそ182億円)、
・Marketing and selling expenses(販売促進費):約$131M(日本円でおよそ142億円)、
と、すごい勢いで販売促進費が使われていることから察するに、販売促進費には当然、人件費も計上されていることでしょう。(割と推計しづらい。。)

ここから先、かなーりざっくりになりますが、売上の10%をマーケティング予算と推定すると、月当たりの売上の10%は約$5.62Mくらいになるので、月あたり6億円程度の広告予算(全体)と考えてみます。

検算の意味で人件費を推測すると、
・平均給与は年間で店長で$60K、営業で$120K、くらい。(≒月$5Kと考える)(≒月$5Kと考える)
・従業員数は大体5,000人。
よって月当たり人件費は$25Mくらい。
Marketing and selling expensesは月当たりに直すとおよそ$43.8Mなので、販売促進費から人件費を除いたら$18.8M(ここには広告予算とロジスティクスなどが含まれるはず)くらいです。

ので、月6億円くらいの広告予算があってもそこまでおかしいレベルでは無いのかもしれません。

ここでSEM Rushの見積もりを引用すると、月間のGoogle広告投下予算は$1.58Mとなっているので、約28%の広告予算をGoogle広告に投下していることになります。

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一方、SEM Rushのデータで1位になっているDoordashのデータを見ると、月あたりのGoogle広告投下予算見積もりは$5.51Mと、SmileDirectClubの$5.62Mに迫る勢いです。よってDoordashの広告予算全体に占めるGoogle広告の比重が高いことが想定されます。

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SmileDirectClubとDoordashでは、欲しいと思った時にユーザーが能動的に検索する度合いに違いがある、と言うところが、Google広告への依存度の高さ低さにつながっていると考えられるのではないでしょうか。

またこの辺の数字の関係性から、上位5社の広告予算は月間で$5M~10M、年間にして$60M~120M、日本円で年間70億〜130億とざっくり推測できるかと思います。

まとめ

書いているうちに考えが右往左往しちゃったのですが、最終的に答えに近いものがまとまっている記事見つけちゃった。。。笑

おそらく1四半期前のデータですが、やはりこのくらいのレンジで広告予算を使っている模様。最初から元記事を調べればよかったと今日半日を後悔しながらこの記事を公開しましたとさ。。

何はともあれ、SEM Rushのデータもそれなりに使えそう、ということがわかってよかった。

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