見出し画像

堂林は本当に覚醒したのか?セイバーメトリクス(BABIP)で見る真の打率を予測(2020年8月)

(画像の出典:https://number.bunshun.jp/articles/-/843643)

スクリーンショット 2020-08-11 14.16.54※2020/8/10時点の成績です

堂林が鈴木誠也から「右中間がセンターと思って打席に入っていけばいい」と助言されたことで覚醒したと言われていますが、堂林が2020年のシーズンに覚醒して広島ファンは歓喜な訳です。
堂林が本当に覚醒したかの考察をデータ分析の観点からしてみました。

画像4(出典「広島カープ誕生物語」)

使った手法はセイバーメトリクスを活用して、特に運指標と言われる「BABIP」を活用しています。

【BABIPという運指標】

BABIPの簡単な説明をしておくと「本塁打を除いた打球がヒットになる確率」です。
BABIP = (安打 – 本塁打) ÷ (打数 – 奪三振 – 本塁打 + 犠飛) 

こちらの記事で詳しく説明されています。こちらの画像を引用させて簡単に説明させて頂きますと、主に投手で使われるようになった指標で「本塁打を除いた打球がヒットになる確率」は長期的には約0.3に収束するというものです。

画像3

これを打者に適用してもある程度長期的には収束することがわかったので、「本塁打を除いた打球がヒットになる確率」が高いと出来過ぎの結果であったと判断するような運指標として解釈することができます。ただし、足が速いと内野安打になりやすいなどの選手のタイプによって収束する値が少し違う側面もあります。

【BABIPと各主要指標の関係】

スクリーンショット 2020-08-11 23.14.57

上記が2020/8/10時点での堂林の年度別通算成績です。右から二番目のBABIPを見ると2020年度が少し高めに出ていることがわかります。

ここで、カープの主要選手において、BABIPと主要指標の相関を見てみました。

スクリーンショット 2020-08-11 22.37.14※2020/8/10時点


BABIPとの相関について
・打率との相関係数: 0.763~0.978
・長打率との相関係数:0.534~0.917
・出塁率との相関係数:0.464~0.984
・OPSとの相関係数: 0.639~0.871
このように打率とBABIPは相関が高いことが考察できます。

【堂林の真の打率を予測してみたら覚醒だった】

堂林選手の年度別成績とBABIPと各指標の相関を見ると相関係数が0.884と打率と関係性がやはり高いことが考察できます。今回は回帰分析により真の打率を予測します。

※予測に傾きを活用しますが、BABIPは通算BABIPを使用します。また、成長分を考慮して切片は2020年度成績から算出したものを使用します。

スクリーンショット 2020-08-11 23.00.39※2020/8/10時点

y(打率)=0.8267(傾き)* x(BABIP) +0.0261(切片)

2020年度成績から
新切片= 0.0516
通算BABIP=0.331
であり
真の打率 は 0.268 と予測されました。

スクリーンショット 2020-08-11 23.14.57

堂林選手の通算年度成績を見ると、2019年までのキャリアハイで0.261であったので、覚醒していると言っていいのではないでしょうか。

ちなみに、セイバーメトリクスで重要とされているOPSに関しても妥当性を簡易に予測してみます。四球割合として算出した四球率を見ると0.89であり、2012年~2014年度のかつて輝きがまだあった頃と同程度なので妥当な数字と判断し、これを活用して新出塁率を出してみます。また、長打率は期待を込めて現状のものを活用します。(回帰分析の結果だと相関係数0.623で正直使えない)
・真出塁率:0.313
・長打率:0.545
真OPS:0.858

堂林覚醒したんで、カープ逆転優勝お願いします!!!

画像8

(出典「広島カープ誕生物語」)

#セイバーメトリクス #スポーツアナリティクス #データ分析 #広島東洋カープ
(データの参照:Basebal LAB http://www.baseball-lab.jp/)



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?