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【プレイ感想】Cassette Beasts

あるゲームが非常に人気になったとする。そのゲームはブームを生み出し、広く人口に、あるいはコミュニティに膾炙する。そうして2匹目のドジョウを狙った開発者などによって多くの類似作品が(おそらく)登場することになる。この類似作品のことを「フォロワーゲーム」と呼んだりすることがある。本作はいうなれば「ポケモンフォロワー」だ。

たいがいフォロワーゲームというのは玉石混交だ。まぁポケモン程度に遊べればいいかと軽く考えていたが、いざプレイしてみれば作りこまれたシステムと物語が化学反応を起こし、オンリーワンなゲームになっていた。要するに舐めてました。

舞台は並行宇宙からいろんな人が流れ着いてきてコミュニティを築いている町「ハーバータウン」。この町に流れ着いた主人公はモンスターと出会うが、 そのモンスターはなんとカセットに記録して変身することのできるカセットビーストだったのだ。
大天使という謎の存在と出会いつつ、不思議なこの島から脱出して元の世界に戻るために、主人公はモンスターたちと冒険をすることになる……みたいな話。なんかヒスイ地方っぽいな。

ところで例のごとくタイプ相性があるのだが、その組み合わせが非常に繊細で面白い。 水は炎に強い、草は水に強い……というような基本的な相性。次にその逆である、攻撃を受けるときの相性。 相性の効果は、ダメージが増えるなどというものから、相手の攻撃力を低下させる、スキルを撃つのに必要なAPを吸収する……と、マジで多種多様。

ほかにも、プラスチックタイプは炎タイプの技を喰らうと溶けてどくタイプになるなど、タイプの変化まで起きるものもある。 まぁ正直覚えていられないが、この作りこみの細かさは目を見張るものがある。

わっかんね!でもプレイ中に確認可能。

さらにモンスターの進化や、フュージョンといった要素も用意されており、それぞれのモンスターのビジュアルの変化も見ていて楽しい。 フィールド探索もアクションらしく、自由度が高い。 クエストの進行も自由で、好きなように冒険できる懐の広さを感じた。

世界の作りこみもいい。モンスターを捕獲する代わりにテープに記録、ということにして、その技はステッカーをカセットに貼ることで発動可能になる。 進化も「リマスター」という名称で、しゃらくさおしゃれ。 流用になりやすいフォロワーゲームのなかで、しっかりと個性が作られている。

ちょっと気になる点としては、UIなどで引っかかる点が多く、プレイ中にじわじわとやりにくさが蓄積されていくところ。 カセットの入れ替えなども微妙に手間なので、これが繰り返されるとゲームそのもののやる気がゆっくり削られていくので、そこは残念だった。

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