恋心を忘れてから、その気持ちは眩暈だと思うようになってから、何年経っただろう。
いつの間にか女性アンチだった実況者が結婚して、子供が出来た。
その間に自分は未来を消費している。
正解など無いが、正解らしいものを信じている。
そのお陰で今も点、点、と日々を過ごしている。
締め切った部屋で香を焚くのは、煙草の代わりだと最近思うことだ。
友人も節目だというから、初めて人生を動かそうとしている。
家族も人生を変える選択をここ最近で沢山越えていて。
とても独りと思うことよ。
夢では忘れたはずの初恋の思い出をリフレインする。
数日間ずっと同じ人を思い出すからノイローゼ気味だ。
恋心はもう忘れてしまったんだし、忘れてしまう方がとても健康的な生活だ。
夢は悲痛だ。
性欲も苦痛だ。
呼んでもないのにやって来る。理由もないのに大波になって寄せてくる。
普段は落ち着いているのに、突然堰を切って来るから、本当に疲れる。
節度を保ちたいわけでも、貞を守りたいわけでもなく、ただ波が収まるのを時に任せている。
ストラテラ(ADHD治療薬)を飲み始めてから、昔に比べればその波の大きさは大した物ではない。
この薬を飲まなかった頃の自分は性欲と不安定の違いが分からなくて、自傷で慰めた。
もし薬を飲んでなくて18の時に志望校に行けて上京していたらと思うとおぞましい。
理性のない獣だったことを否定しない。
ひたすらに自傷の生き物だった。
お薬さんは私に理性を授ける。獣から獣性を失わせる。だから人間より人間らしい人間になる。
完璧に作られた理性の人間になれるのだ。
だから薬をしばらく飲み忘れてしまっていた時に、突然性欲の大波がやって来て吐いてしまう。
愛おしさを求めたくなる気持ちが浅ましいと思う。
明らかに言葉に愛おしさを感じる性が、どんな姿形も受け入れてしまうのを知っている。
実際に無分別な姿形の彼らに愛おしさを感じる。
ただ触りたくなってしまうから、そんな自分が嫌いだ。
とはいえ、触れないものに興味もない。
秋が来るはずだったが、すぐに冬になりそうだ。
夏かと思うほどの陽射しの強さよ。
ゆっくり時を待つ。
孵化を待つ。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?