ウール!
眠れそうなのに眠らないから私はまた狂ってしまう。既にあちこち歪んでいて痛む。悼む心まで傷んでしまっているから、雨が降っているのに窓を開けて濡れたベッドで足をブラブラさせる。私は変わってしまった。多分悪い方向に。私は諦めてしまった。やっぱり悪い方向に。
羊の群れがまぶたの裏でタップを踏んで、私は叫ぶ。ウール! ウール! 毛糸!
編みかけのブランケットは何処へ仕舞ったの?
眠る前のおまじないは時々効かない。時々、ね。だから私は数えるのだ。羊の数列を。数学で赤点を取ってからじゃないと数えられない数列を。ウール!
鬱との共存を目指しながら詠んだり書いたりしています。