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【THE ONE制作記⑤】「一人じゃないから、どんな逆境も超えて、共に強く生きていこう」

はじめに

本来であれば5月中に音源まで完成させる予定が、とっても時間がかかりなんとか歌詞とメロディーまでは完成という形になりました。

いつもはそこまでは時間かからないはずなんですが、今回はとっても時間がかかっております。この後に音源にする作業がね、ほんとに長いわけで、ていうか本来歌詞とメロディーは長くても3日程度でそこからが1ヶ月とかなので本当にペースをさらにあげなければならないと思ってます。

ということでなんとか歌詞は書き終わりましたので(ここから英語チェックをお願いする必要がありますが)、今日はそこのところを書いていきます。


物語はどこからでも

A story starts from a streetlight
a story starts from a candlelight
your light will be my searchlight
And my light will be your stagelight
(ある物語は一つ道の灯りから。
そしてある物語は一つのキャンドルの灯りから。
君の灯りは僕のサーチライトに。
僕の灯りは君のステージライトに。)

昨日の夜中に演出チームの演出課と道具課のリーダー達と会議をしてまして、「本」を世界観に入れていきたいという話になりまして。
その話を聞いていて、歌詞にもそこを盛り込みたいし、もう一つのテーマソングの「LIFE is a SHOW」にも繋がるような歌詞を入れたいなと思いました。

で、なんかこうどっからでも物語は始まるんだみたいなことを書きたいと思いまして。

発展途上国と先進国、田舎と都市、一人ぼっちの部屋と人に溢れた場所、対照的なように見える場所であっても、それぞれから物語は始まってる的なことを言うためのいい比喩はないだろうか。

洋楽を聞き漁り、英単語を調べて考えること2時間。
streetlight」と「candlelight」はどうかと。
streetlightは都市や先進国、人に溢れた場所のメタファーとして、candlelightは発展途上国とか田舎、ひとりぼっちの部屋のメタファーとして。
けれど、明確にどこのstreetlightかはわからないから、そこの解釈は自由でよくて、ポツンと立ってるstreetlightを想像すればそれは「ひとりぼっち」のメタファーにもなる。streetlightは冷たくて、candlelightは温かい印象を持つ人だったら、candlelightよりもstreetlightの方が「逆境感」を感じるかもしれない。
それくらいの幅を持たせたほうが、どこからでも始まってる感はあるんじゃないか。
よし、韻も踏めてるしこれがいい。

と言うことで前半の歌詞はそうなりました。

で、そこからもうlightで語尾を揃えちゃったもんだから、Aメロは全部lightで韻が踏めるものにしたくて、~lightって単語を色々考えた時に、「searchlight」と「stagelight」はなんか使えそうと思いまして。

一番で言ってることですが、
僕らはTHE ONEという関係の中で、痛みを知っているから、誰かの痛みを知れて、愛することができる。傷があるから、誰かの傷を理解することができて、優しくすることができる。

ここをもう少し膨らまして、searchlightとstagelightを使う歌詞にするなら、
「互いに誰かを導く光になれるし、誰かを輝かせる光になれる。」
ってニュアンスが一番近いなと思って、後半はこんな歌詞になりました。

ちなみに、ここは僕が大好きなJourneyの「Don't Stop Believin'」からインスピレーションをもらってます。単語とか歌詞の構成とか。


同じように頑張っているあなたがいる

Even if you're faced with tragedy, it never be the bad ending.
You know that more than anybody else.
and If you still can't write your story to the happy ending,
Remember me just like you
(君がもし悲劇の中にいても、それは決してバッドエンドじゃない。
それは君が一番知ってるはず。
それでもまだハッピーエンドに向けて物語を描けないなら、
君と同じ僕のことを思い出して)

2番のBメロ。
結局この曲は「君」と「僕」の曲であるというところを外さないようにしようと思いまして。

「私たち」という不特定多数のコミュニティを意識して生きるのは非常に難しくて、僕にはできないんです。
意識を大きくすればするほど、大切だった人たちの顔がぼやけて、有象無象に思えてくる。
けれど、目の前の誰か、特定の誰かのことを思いながら生きることはまだできる。この曲はステージの上だけじゃなくて、日常でも力になる曲でありたい。だから、「THE ONE」は最小単位の「君」と「僕」の歌だと思って聴ける曲でありたい。
という思いも込めて、Bメロでは、「君」と「僕」の話に戻してます。

で、Aメロに引き続き「物語」に関連した言葉を入れたいなと思って、思いついたのが「happy ending」「bad ending」

この言葉を使うということを念頭におきながら、日常に戻った時に力をもらえるような歌詞をここには書きたい。

普段生きてると、しんどいことはめちゃくちゃあります。うまく行かないこと、物語で言えば悲劇。そこで人生を終えてしまうとバッドエンドになるようなシーンが人生には多々あります。
そんなシーンの中にいて僕はいつもどうしてるんだろうかと考えてみまして、僕は結局いつも

「あの人も今同じように頑張ってんだろうな」って思うことで乗り切ってるなと思いました。

その悲劇の先も生きていれば、時には楽しいことだってあるし、幸せだってある。それは過去の自分の経験からわかること。
だからどうせ自分はこの悲劇の先も生きる。
けれど、今この時が辛い。どうしようもなく辛い。
いいことがあるかもしれないと思っていても、死にたい。

そんな時に僕にとって、励みになるのは、どんな言葉よりも同じように強く生きている「あなた」という存在です。
言葉に救われるのは、その言葉を放った人が自分と同じなんだと思えるから。
だから言葉に救われているようで、その人がいるということに自分は助けられてるなと思います。

誰でも、悲劇の中にいる誰かをすぐに救いに行けるわけじゃないし、いつも気づけるわけでもない。
ただ、みんな「頑張って今日を生きている」という点では一緒で、それは揺るがない事実。
だから、「共に強く生きてるあなた」がいると思うだけで、僕は頑張れるし、「共に強く生きている僕」が、誰かの頑張れる意味であれたらと思ってこの歌詞にしました。

誰も一人じゃない

for you and me
for our children
for the next 300 years
Let's sing along
and let's prove that nobody's alone
here and now.
(君と僕のために
僕らの子ども達のために
次の300年のために
一緒に歌おう
そして誰も1人ではないと証明しよう。
今ここで。)

2番のサビは1番と同じ。(キーがさらに上がってますが)
ということで、飛ばして2番サビ後のCメロへ。

ここはもうTHE ONEというこのステージで歌うということを想定して書きました。
100人を超えるステージだから歌えることがあるし、THE ONEというステージだからこそ歌えることをせっかくなら歌いたい。

じゃあ結局この曲はなんのために歌うのか。誰のために、なんのためにこのTHE ONEはあるのか。

で、色々考えてた時にLES WORLDのリーダー陣に共有されてる「LES WORLD 船中九策」っていう指針を思い出しまして。
簡単に言えばLES WORLDの中心にある考え9つ(なかなか普段から意識できないものではあるんですが)で、そのうちの一つに「300年後の世界のための活動を」というのがあるんです。

それを思い出した時に、これは歌詞に入れたいなと思いまして。
で、とりあえずそこは入れることを決めた後に、でもやっぱりその世界は「君」と「僕」から始まるし、この曲は「君」と「僕」という最小単位のための曲でもあると思って、そこも入れて。その間にある世代は、「our children」(僕らの子ども達)だなというので、トントントンと歌詞を作りました。

でここまで書いて思いました、そうやって「君と僕」「僕らの子ども達」「300年後」のために歌うことで一体何になるんだろうかと。
そうやって歌うことで「どんな逆境も超えて、強く生きる」ことができるのかと。

飛躍してない?

多分何か最後のピースが必要、この曲を聴いた誰かが「どんな逆境も超えて、強く生きる」ために一番伝えなくてはいけないこと。

なんだなんだ〜〜!!と考えた結果。

サビに書いた
「一人じゃない」ということだと思いました。

この曲は色々盛り込んだけど、結局「一人じゃないから、どんな逆境も超えて、共に強く生きていこう」という曲。

よし、ごちゃごちゃしてきたから、まとめよう。
全歌詞を踏まえて、言いたいことはこう。

どんな環境から始まった人生でも誰もが強く生きている(より良く生きようとする限り、強く生きている。)
誰もが強く生きる中で、それぞれの色んな痛みや傷を知っている
だから同じ痛みや傷を知ってる人と愛と優しさで抱きしめ合える、導き合える、照らし合える。その人を思うことでまた強く生きることができる。
そこに言語の壁も宗教の壁も人種の壁もない、境界などない心の繋がりがある
その共同体が「THE ONE」。そこで共に強く生き、希望を共に持ち、夢を追う勇気を持ち、輝きあい、愛し合う
そこでは誰も一人ではない
つまり、本当は強く生きている限り誰もがTHE ONEにすでに在る。
それに気づいた時に、必ずあなたのことを抱きしめてくれる人がいて、あなたもまた誰かを抱きしめることができることがわかる。存在価値はそこにあって、君は一人じゃない。
その誰かの一人が僕(私)。君には僕がいて、僕には君がいる。
だから、ここからは、あなたと同じ僕(私)と共に、より良い日を望もう、夢を共に追おう。より明るい明日の光になろう。どんな涙も抱きしめていこう。
そうやって、共にどんな逆境も超えて、強く生きていこう。僕らは一つだから。

で、これを300年後にだって、証明できて伝えられるのがTHE ONE。
この証明の先に、平和というものだって描けちゃうのがTHE ONE。

綺麗事だけれど、本当はTHE ONEなんだってことに気づいてないから、争いが起きるんじゃないかと思ったりしました。
対立している相手が、自分と同じように苦しみながらより良く生きようと、強く生きているんだと知った時に、一緒に共に強く生きていけるんだと知った時に、何かブレーキが働くんじゃないか。手と手を取り合う道を考えるんじゃないか。

この曲を書きながら、そうやって小さく平和が進んでいけばいいなと思いました。

あと、あんまり広げすぎてもだけど、最初の時に書いた「なぜ強く生きるのか」で「生きていてよかったと思う瞬間のため」みたいなの書いたけど、
「生きていてよかったと思う瞬間」って大体、何か自分ではないもののおかげで思えてるなと思って。

全部本当に一人だったら、何に生かされてるわけでもないところにいたら、きっと「生きていてよかった」なんて思えない気がします。
だから逆説的に、自分ではない何かしらのおかげで、「生きていてよかった」と思えて、そのために生きてるよななんてことも思いました。



終わりに

歌詞だけでえらい時間がかかりました。
ここからは作曲の方です。

同時進行で作曲の方を進めてましたが、今のところ最終的にキーが5つ上がる曲になってます。頑張って歌いましょう。






















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