年表!

タイトルの通り。ご遺文やお曼荼羅(のリンク)を時系列的に並べる。
引用は日蓮聖人御遺文検索より。いつもお世話になってます!

法華題目抄
文永三(1266) 真筆あり
根本大師門人 日蓮撰 南無妙法蓮華経
 問て云く 法華経の意もしらず、義理をもあじわわずして、只南無妙法蓮華経と計り五字七時に限って一日に一遍、一月乃至一年十年一期生の間に只一遍なんど唱えても、軽重の悪にひかれずして四悪趣におもむかず、ついに不退の位にいたるべしや。
 答て云く しかるべき也。

問て云く 題目計りを唱うる証文これありや。
答て云く 妙法蓮華経の第八に云く_受持法華名者。福不可量〔法華の名を受持せん者~福量るべからず〕。正法華経に云く_若聞此経宣持名号徳不可量〔若し此の経を聞いて名号を宣持せば徳量るべからず〕。添品法華経に云く_受持法華名者。福不可量〔法華の名を受持せん者~福量るべからず〕。
 此れ等の文は題目計りを唱うる福計るべからずとみえぬ。一部八巻二十八品を受持読誦し随喜護持等するは広也。方便品・寿量品等を受持し乃至護持するは略也。但一四句偈乃至題目計りを唱うる者を護持するは要也。広・略・要の中には題目は要の内なり。

文永8年(1271年)

十章抄
文永八年(1271.05) 真筆あり
…真実に円の行に順じて常に口ずさみにすべき事は南無妙法蓮華経なり。心に存すべき事は一念三千の観法なり。これは智者の行解なり。日本国の在家の者には但一向に南無妙法蓮華経ととなえさすべし。名は必ず体にいたる徳あり。法華経に十七種の名あり。これ通名なり。別名は三世の諸仏皆南無妙法蓮華経とつけさせ給いしなり。阿弥陀・釈迦等の諸仏も因位の時は必ず止観なりき。口ずさみは必ず南無妙法蓮華経なり。…

9月12日の深夜 龍ノ口法難

10月9日 楊子本尊

文永9年(1272年)

祈祷鈔
文永九年(1272) 真筆あり

本朝沙門 日蓮撰 
問て云く 華厳宗・法相宗・三論宗・小乗の三宗・真言宗・天台宗の祈りをなさんに、いずれかしるしあるべきや。
 答て云く 仏説なればいずれも一往は祈りとなるべし。但法華経をもていのらむ祈りは必ず祈りとなるべし。…
…大地はささばはずるるとも、虚空をつなぐ者はありとも、潮のみちひぬ事はありとも、日は西より出づるとも、法華経の行者の祈りのかなわぬ事はあるべからず。法華経の行者を諸の菩薩・人天・八部等、二聖・二天・十羅刹等、千に一つも来たりてまもり給わぬ事侍らば、上は釈迦諸仏をあなずり奉り、下は九界をたぼらかす失あり。行者は必ず不実なりとも智慧はおろかなりとも、身は不浄なりとも、戒徳は備えずとも南無妙法蓮華経と申さば必ず守護したもうべし。袋きたなしとて金を捨つる事なかれ、伊蘭をにくまば栴檀あるべからず。谷の池を不浄なりと嫌わば蓮を取るべからず。行者を嫌い給わば誓いを破り給いなん。正像既に過ぎぬれば持戒は市の中の虎の如し、智者は麟角よりも希ならん。月を待つまでは燈を憑むべし。宝珠のなき処には、金銀も宝なり。とくとく利生をさずけ給えと強盛に申すならば、いかでか祈りのかなわざるべき。…
開目抄
文永九年(1272.02) 真筆あり
妙法蓮華経と申すは漢語也。月氏には薩達磨分陀利迦蘇多攬〈さつだるまぷんだりきゃそたらん〉と申す。善無畏三蔵の法華経の肝心真言に云く ̄曩謨三曼陀[普仏陀] ・{おん}[三身如来] 阿阿暗悪[開示悟入] 薩縛勃陀枳攘[知] 娑乞蒭毘耶[見] ・・曩婆縛{ぎゃぎゃのうば}[如虚空性] 羅乞叉・{あらきしゃに}[離塵相也] 薩哩達磨[正法也] 浮陀哩迦[白蓮華] 蘇駄覧[経] 惹[入] 吽[遍] 鑁[住] 発[歓喜]縛曰羅[堅固] 羅乞叉・{あらきしゃまん}[擁護] 吽[空無相無願] 娑婆訶[決定成就]。
 此の真言は南天竺の鉄塔の中の法華経の肝心の真言也。此の真言の中に薩哩達磨と申すは正也。正は妙也。妙は正也。正法華・妙法華是れ也。又妙法蓮華経の上に南無の二字ををけり。南無妙法蓮華経これなり。妙者具足。六者六度万行。諸の菩薩の六度万行を具足するようをきかんとおもう。具とは十界互具。足と申すは一界に十界あれば当位に余界あり。満足の義なり。此の経一部八巻・二十八品・六万九千三百八十四字、一々に皆妙の一字を備えて三十二相八十種好の仏陀なり。十界に皆己界の仏界を顕す。

6月16日 大曼荼羅002

文永10年(1273年)

4月26日 如来滅後五五百歳始観心本尊抄

7月8日 佐渡始顕本尊(曾存、リンク先はWikipedia)

文永11年(1274年)

法華取要抄
文永十一(1274.05・24) 真筆あり
…七子之中の第一第二は一闡提謗法の衆生也。諸病之中には法華経を謗ずるが第一の重病也。諸薬之中には南無妙法蓮華経は第一の良薬也。此の一閻浮提は縦広七千由善那、八万の国之有り。正像二千年之間未だ弘宣流布せざる法華経を当世に当りて流布せしめずんば、釈尊は大妄語の仏、多宝仏の証明は泡沫に同じく、十方分身の仏の助舌も芭蕉の如くならん。…

6月 大曼荼羅011(天目受与)

11月 大曼荼羅016(万年救護本尊)

文永12年(1275年)

曾谷入道殿許御書
文永十二(1275.03・10) 真筆あり
…正像二千余年には猶お下種の者有り。例せば在世四十余年の如し。機根を知らざれば、左右無く実経を与ふべからず。今は既に末法に入て在世の結縁の者漸漸に衰微して権実の二機、皆悉く尽きぬ。彼の不軽菩薩、末世に出現して毒鼓を撃たしむる之時也。而るに今時の学者、時機に迷惑して、或は小乗を弘通し、或は権大乗を授与し、或は一乗を演説すれども、題目之五字を以て下種と為す之由来を知らざるか。殊に真言宗の学者、迷惑を懐いて三部経に依憑し、単に会二破二之義を宣べて猶お三一相対を説かず。即身頓悟之道、跡を削り、草木成仏は名をも聞かざるのみ。…

4月 大曼荼羅024(総帰命式は現存最後)

建治元年(1275年)

10月 大曼荼羅026(十羅刹女の個々記載は現存最後・署名と花押が接近)

建治2年(1276年)

4月 大曼荼羅037(祈祷本尊)

報恩抄
建治二年(1276.07.21) 真筆あり
…問て云く 法華経一部八巻二十八品の中に何物か肝心なる。
 答て云く 華厳経の肝心は大方広仏華厳経、阿含経の肝心は仏説中阿含経、大集経の肝心は大方等大集経、般若経の肝心は摩訶般若波羅蜜経、双観経の肝心は仏説無量寿経、観経の肝心は仏説観無量寿経、阿弥陀経の肝心は仏説阿弥陀経、涅槃経の肝心は大般涅槃経。かくのごとくの一切経は皆如是我聞の上の題目、其経の肝心なり。大は大につけ、小は小につけて、題目をもて肝心とす。大日経・金剛頂経・蘇悉地経等、亦復かくのごとし。仏も又かくのごとし。大日如来・日月燈明仏・燃燈仏・大通仏・雲雷音王仏、是等も又名の内に其仏の種々の徳をそなへたり、今の法華経も亦もつてかくのごとし。如是我聞の上の妙法蓮華経の五字は即ち一部八巻の肝心。亦復一切経の肝心。一切諸仏・菩薩・二乗・天人・・羅・龍神等の頂上の正法なり。…

…一には日本乃至一閻浮提一同に本門の教主釈尊を本尊とすべし。所謂宝塔の内の釈迦多宝・外の諸仏・竝びに上行等の四菩薩脇士となるべし。二には本門の戒壇。三には日本乃至漢土月氏一閻浮提に人ごとに有智無智をきらはず、一同に他事をすてて南無妙法蓮華経と唱ふべし。此事いまだひろまらず。一閻浮提の内に仏滅後二千二百二十五年が間、一人も唱えず。日蓮一人南無妙法蓮華経南無妙法蓮華経と声もをしまず唱ふるなり。例せば風に随つて波の大小あり。薪によて火の高下あり。池に随つて蓮の大小あり。雨の大小は龍による。根ふかければ枝しげし。源遠ければ流れながしというこれなり。周の代の七百年は文王の礼孝による。秦の世ほどもなし、始皇の左道なり。
日蓮が慈悲曠大ならば、南無妙法蓮華経は万年の外未来までもながるべし。日本国の一切衆生の盲目をひらける功徳あり。無間地獄の道をふさぎぬ。此功徳は伝教天台にも超へ、龍樹・迦葉にもすぐれたり。極楽百年の修行は穢土の一日の功に及ばず。正像二千年の弘通は末法の一時に劣るか。是はひとへに日蓮が智のかしこきにはあらず。時のしからしむる耳。春は花さき、秋は菓なる、夏はあたゝかに、冬はつめたし。時のしからしむるに有らずや。…

8月13日 大曼荼羅038( 三光瓔珞御本尊・首題直下に花押署名)

建治三年(1277年)

2月 大曼荼羅041(第六天魔王の列座始)

建治三(1277) 真筆あり
四条金吾殿御返事(四条第十九書)
     建治三年。五十六歳作。
     続、中一六。遺二三ノ四五。縮一六三六。類七二四。 法華経本迹相対論。迹門尚始成正覚の旨を明す。故にいまだ留難かかれり。本門はかゝる留難去たり。雖然題目五字に相対する時末法の機にかなはざる法なり。真実一切衆生色心の留難を止むる秘術は、唯南無妙法蓮華経なり。
  四条金吾殿御返事
四信五品抄
建治三年(1277.04・10) 真筆あり
初心の者が兼ねて五度を行ずれば正業の信を妨ぐる也。譬へば小船に財を積んで海を渡るに財と倶に没するが如し。直専持此経とは一経に亘るに非ず。専ら題目を持して余文を雑へず。尚お一経の読誦をも許さず。何に況んや五度をや。廃事存理と云ふは、戒等の事を捨てて題目の理を専らにす云云。所益弘多とは初心者が諸行と題目と竝べ行ずれば所益全く失ふと云云。

10月 大曼荼羅045

弘安元年(1278年)

10月19日 大曼荼羅056(鴛鴦本尊)

九郎太郎殿御返事
弘安元年(1278.11・01) 真筆あり
これにつけても、こうえのどの(故上野殿)の事こそ、をもひいでられ候へ。
 いも一駄・くり・やきごめ・はじかも給候ひぬ。さてはふかき山にはいもつくる人もなし。くりもならず、はじかみもをひず。まして、やきごめみへ候はず。たといくりなりたりとも、さる(猿)のこすべからず。いえのいもはつくる人なし。たといつくりたりとも人にくみてたび候はず。いかにしてかかゝるたかき山へはきたり候べき。
 それ山をみ候へば、たかきよりしだい(次第)にしもえくだり。うみをみ候へば、あそきよりしだひにくかし。代をみ候へば、三十年・二十年・十年・五年・四・三・二・一、次第にをとろへたり。人の心もかくのごとし。これはよのすへになり候へば、山にはまがれるきのみとゞまり、の(野)にはひきゝくさのみをひたり。よにはかしこき人はすくなく、はかなきものはをほし。牛馬のちゝをしらず、兎羊の母をわきまえざるがごとし。
 仏御入滅ありては二千二百二十余年なり。代すへになりて智人次第にかくれて、山のくだれるごとく、くさのひきゝににたり。念仏を申しかい(戒)をたもちなんどするひとはをゝけれども、法華経をたのむ人すくなし。星は多けれども大海をてらさず。草は多けれども大内の柱とはならず。念仏は多けれども仏と成る道にはあらず。戒は持てども浄土へまひる種とは成らず。但南無妙法蓮華経の七字のみこそ仏になる種には候へ。
 此れを申せば人はそねみて用ひざりしを故上野殿信じ給ひしによりて仏に成らせ給ひぬ。各々は其の末にて此の御志をとげ給ふ歟。龍馬につきぬるだには千里をとぶ。松にかゝれるつたは千尋をよづと申すは是れ歟。各々種の御心也。
 つちのもちゐを仏に供養せし人は王となりき。法華経は仏にまさらせ給ふ法なれば、供養せさせ給ひて、いかでか今生にも利生にあづかり、後生にも仏にならせ給はざるべき。その上、みひん(身貧)にしてげにん(下人)なし。山河わづらひあり。たとひ心ざしありともあらはしがたきに、いまいろをあらわさせ給ふに、しりぬ、をぼろげならぬ事なり。さだめて法華経の十羅刹まほらせ給ひぬらんとたのもしくこそ候へ。事つくしがたし。恐々謹言。
弘安元年十一月一日 日 蓮 花押
九郎太郎殿 御返事

11月21日 大曼荼羅057(現存最大・光長寺蔵)

弘安二年(1279年)

4月8日 大曼荼羅061

4月8日 大曼荼羅062

4月 大曼荼羅063

上野殿御返事
弘安二(1279.04・20) 真筆あり
上野殿御返事(上野第廿五書)(報南条治郎房書)
     弘安二年四月。五十八歳作。
…法華折伏破権門理とはこれなり。尤もいみじく秘奥なる法門也。又天台の学者慈覚よりこのかた玄、文、止の三大部の文をとかくれうけん(料簡)し義理をかまう(構)とも、去年のこよみ(暦)昨日の食のづとし、けう(今日)の用にならず。末法の始の五百年に法華経の題目をはなれて成仏ありといふ人は、仏説なりとも用ゆべからず。何に況や人師の義をや。爰に日蓮思ふやう、提婆品を案ずるに提婆は釈迦如来の昔の師なり。昔の師は今の弟子なり、今の弟子はむかしの師なり。古今能所不二にして法華の深意をあらはす。されば悪逆の達多には慈悲の釈迦如来師となり。愚痴の龍女には智慧の文殊師となり。文殊、釈迦如来にも日蓮をとり(劣)奉るべからざる歟。日本国の男は提婆がごとく、女は龍女にあひに(相似)たり、逆順ともに成仏を期すべきなり。是提婆品の意なり。…

6月 大曼荼羅064

7月 大曼荼羅065

9月 大曼荼羅066

10月1日 聖人御難事

去る建長五年[太歳癸丑]四月二十八日に、安房の国長狭郡之東條の郷、今は郡也。天照太神の御くりや(廚)右大将家の立て始め給ひし日本第二のみくりや、今は日本第一なり。此郡の内清澄寺と申す寺の諸仏坊の持仏堂の南面にして、午の時に此の法門申しはじめて今に二十七年、弘安二年[太歳己卯]なり。
 仏は四十余年、天台大師は三十余年、伝教大師は二十余年に、出世の本懐を遂げ給ふ。其の中の大難申す計りなし。先々に申すがごとし。余は二十七年なり。其の間の大難は各々かつ(且)しろしめせり。法華経に云く_而此経者。如来現在。猶多怨嫉。況滅度後〔而も此の経は如来の現在すら猶お怨嫉多し、況んや滅度の後をや〕云云。
釈迦如来の大難はかずをしらず。…

10月 大曼荼羅067

11月 大曼荼羅068

11月 大曼荼羅069

11月 大曼荼羅070

弘安三年(1280年)

2月1日 大曼荼羅071

2月 大曼荼羅073(経の字の両脇に八幡天照・直下に花押署名)

2月 大曼荼羅075(経の字の直下に八幡天照)

3月 大曼荼羅078(経の字の直下に八幡天照)

3月 大曼荼羅080(経の字の直下に八幡天照)

3月 大曼荼羅081(臨滅度時・経の字の両脇に八幡天照)

3月 大曼荼羅082(経の字の直下に八幡天照)

4月 大曼荼羅083(経の字の両脇に八幡天照)

以後、八幡天照の位置については、経の字の直下だったり両脇だったりで一定していない。何かのヒントになるかなと思ったけど。


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