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将棋Tips #13 3手詰の解き方・準備編

今後、このシリーズでは、何回かに渡って「3手詰の解き方」をお送りする予定なのですが、その準備・前段階として「身につけておくとイイかな?」と思われることを、いくつか挙げていきます。

◆ 駒の動かし方がわかる                                  ◆ 指し手が符号でわかる                       ◆ 必要なルールがわかる

上の三つは、詰将棋に限らず「将棋というゲーム」を楽しむためには基本的な事柄ではありますが、事前に全てをマスターしておかないとダメってことはないですねー。詰将棋や指し将棋をやりながら少しずつ慣れていけばイイっていう感じです。特にルールについては「打ち歩詰めの禁止」「行き所のない駒は打てない」「二歩の禁止」くらいが「詰将棋を楽しむのに必要なルール」で、その三つを知っていれば、とりあえずオッケーだと思います。

◆「詰み」がわかる                         ◆「詰み形」がわかる                       

「詰みがわかる」というのは「詰み」が、どういう状態のことなのか? が理解できるという意味です。ひと言で言い換えれば「どうやっても、次に王様が取られてしまう状態」みたいな感じですが、これは言葉で説明しても、わかりにくいでしょうねー。また、指し将棋をやってるだけだと「駒を取ったり取られたり」という場面はたくさんありますが「王様が詰む場面」は、勝敗が決まる段階になるまでナカナカ出てこないので、身につきにくい感覚なのではないか? と思います。

そこでオススメなのが、本記事やシリーズでも取り上げている「詰将棋」ですね。相手の王様を詰ます部分だけを取り出してパズルゲームのようにした感じです。これをたくさん解くことで「詰み」っていうのがどういうことなのかが感覚的にわかるようになりますし「駒の効率的な使い方」なんていうものも身につけることができます。

続いて「詰み形」についてですが、これは「王様が詰んだ時の形」のことを言って、例えば下の図のような感じです。

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符号で言うと「3二の地点」にある金が、相手玉の動ける場所全てに利いていて、また、その金を玉で取ると3三の歩に取り返されてしまいます。つまり、相手玉は「詰んで」います。

上の図は「頭金(あたまきん)」という有名な形ですが「詰み形」には様々な形がたくさんあります。次に、二つだけ例を上げておきます。

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上は「吊るし桂」という名前の詰み形で、玉方の駒が壁になって逃げることができず「詰んで」います。下は、特に名前がついている詰み形ではありませんが、玉の上部はと金が押さえていて、1一の地点には飛車が利いていて玉の逃げ場所を全て塞(ふさ)いでいるので「詰んで」います。

(名前がついている詰み形は「特に、よく見る形」ってことです)

これらの「詰み形」を見た時に「これは詰んでいる」と理解できるっていうのが「詰み形がわかる」です。

「1手詰」がオススメ

「詰み」と「詰み形」がわかるようになるための方法としては「1手詰をたくさん解く」のがオススメです。指し将棋や他の問題集などでも数をこなせば身につけられることではありますが、それらと並行して取り組めば、より効果的だと思います。

また、初めに上げた「駒の動かし方」「符号」「ルール」についても、1手詰を解いていく過程で自然に身につきます。慣れないウチは、ゆっくり丁寧に自分のペースで取り組んでいって、徐々にペースを上げていくのがコツになりますかねー。詳しいやり方については、以前に上げた記事がありますので、それらを参考にして下さい。

◆ 自由に駒を動かせる将棋盤                    ◆ 紙とペン

これは、詰将棋を「頭の中だけで解く」のではなく「盤&駒とメモを使って解く」ために手元に置くってことです。例えると、自転車に初めて乗る時に装着する「補助輪」とか、鉄棒や跳び箱の練習をする時に使う「補助具」のような感じですかねー。

(盤&駒は、リアルではなく、アプリやソフトでも、もちろんオッケーw)

1手詰は、問題図から1手指すだけでイイので、将棋に触れるのが初めての方でも、盤&駒を使わずに、いきなり頭の中だけで解くことも可能だと思うのですが(もちろん、使うのもオッケーですよw 自分のペースで取り組むことが大切です)3手詰の場合はナカナカ難しいんじゃないでしょうか? 

攻め方(玉を詰ます側)が「初手」を指し、玉方が「応手」を指して、最後に詰ます手を指す「3手詰」は、1手詰に比べると「読む手の数」や「確認すること」が段違いに多くなります。感覚的な目安ですが、難易度としては3〜5倍くらいになると思います。

個人差はありますが、1手詰を、延べで1000問くらい解けば、上でお話した「駒の動かし方」や「符号」「ルール」はもちろんのこと、「詰みの感覚」や「詰み形」などを、どなたでも、ひと通りマスターすることができると思われます。が、1手詰がスラスラ解けるレベルの方でも、3手詰に初めて取り組む時の「ハードルの高さ」は、かなりのものだと思います。

もちろん、中には、自転車や跳び箱が初めてだけど、補助具なしで、スグに乗れたり跳べたりする「運動神経のイイ人」のように、詰将棋においても、いきなり「頭の中だけで解ける」方だって、いらっしゃるとは思いますが、1手詰に比べて「ちょっと難しいな」とか「時間がかかっちゃうな」と感じる方には、「盤&駒」や「紙とペン」を使って「3手詰そのものに慣れる」という段階を踏むことをオススメします。

具体的な方法や取り組み方については次回以降にお話ししますが、この方法をオススメする理由としては「時間はかかっても自力で解けるという感覚が持てる」ということと「思考過程を視覚&身体感覚で理解できる(頭の中でやってることが、ハッキリ見えたり整理されたりする)」ってことが大きいのではないか? と思っています。

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というわけで、長々と述べてきましたが「3手詰の解き方・準備編」はいかがだったでしょうか? 自分でも思ったより長くなってしまってビックリしていますが、盤&駒と紙&ペンを用意する以外は、要するに…

1手詰集を「しつこくしつこく」コスりましょう!!

ってことに尽きますかねー(だいたい、いつもコレしか言ってないw)。

ではでは。

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