アグリイノベーション大学校に入学して変わったこと
こんにちは、初めまして。石毛(いしげ)と申します。
昨年の秋(2020年10月)、アグリイノベーション大学校(以下、AIC)に入学しました。
私は、東京生まれの東京育ち、親は非農家です。高校・大学は文系で、農業は全くの初心者でした。
今日は、そんな私がAICで学ぼうと思ったきっかけも含め、
「AICに入学して、この半年間で変わったこと」について、紹介したいと思います。
農業を学ぼうかどうか、迷われている方の参考になれば幸いです!
目次
1. 「好奇心」 ~Girl Meets Agri~
2. 「格闘」 ~決戦は土曜日~
3. 「同志」 ~WAになってうなおう~
4. 「冬」 ~北風に吹かれて~
5. 「想い」 ~畑はスリル、ショック、サプライズ~
1. 「好奇心」 ~Girl Meets Agri~
農業・栽培をやってみたいな、と最初に思ったきっかけは、以前勤めていた仕事でミャンマーの灌漑農業に関わったことでした。灌漑農業っていっても、私が携わっていたのは、乾季の稲作やゴマの生産のプロジェクトでした。
水は稲作の生産に必須だけど、それだけでは収量や質の改善までは難しいという話を聞きました。
(写真:ミャンマーザガイン州・シュエボーの水田)
そういった栽培の難しさが好奇心につながって、収益性の高い農作物を作るための栽培方法を勉強したい、という思いが募りました。そういった栽培の現場を学べる場を探したところ、AICに出会うことができました。
AIC農場に初めて行った日は、にんじんやピーマン、唐辛子・なすの収穫をお手伝いしました。落花生を1つ1つ、出荷準備のため洗いました。
(写真:落花生の出荷前の洗浄作業、タイの唐辛子プリックを生かじり)
野菜がどのような姿で畑に植わっているか、全然知らなかったことに気づきます。1つ1つの苗や、植わっている姿、実った果実が愛らしい。農業は大変だというイメージもありましたが、「生きもの」に触れている実感。
入学してから「農業は楽しい!」は確信につながりました!
2. 「格闘」 ~決戦は土曜日~
AICでは、農家の先生による農業技術の実習を土曜日に行います。また、農業実習が無い土曜日は、「オープンデイ」が開催され、AIC農場スタッフや卒業生の指導を受けながら栽培を学ぶことができます。
まずは畑の準備から始まります。鍬(くわ)を使って、畝(うね、畑のベッド)を準備します。農業の大先輩方より、「さあ、鍬を取ってきましょう」
「分かりました!(鍬って何だっけ・・・( ^)o(^ )?)」
鍬の使い方がなってないぞ~、とご指導を頂きます。
鍬を準備できたら、畝立てをします。畝って何?と思いますよね。。初心者の私からしたら、何もかもがちんぷんかんぷんです。農業の基本の「き」の字の習得から始まるのです。
(写真:畝立て出来たら、定植するよ)
元々、朝はあまり得意ではありません。平日は仕事に明け暮れ、土曜日は昼まで死んだように寝て、夕方から飲みに出かけることが日常でした。(※コロナ感染拡大前の話です)
まるで「農業に向いていない」と言われてしまいそうですが、AICに入学して、土曜日に早起きすることが私にとって最大の格闘だったのです。
3. 「同志」 ~WAになってうなおう~
AICに入学して変わったことの一つが、横の繋がりができたこと。
AICは、関東では埼玉・横浜・千葉の3つの農場、関西では京都・大阪の2つの農場を、受講生の実習の場として運営しています(^^)。受講生は自分の通いやすい農場を選びます。周辺の様々な地域から、農業を学びたい人達が毎週末その農場に集まってくるのです。
私が通っているのは埼玉農場。受講生や取り巻く農場スタッフ・先輩方は、個性豊かな人ばかり。というか、個性が強い人しかいない。。気さくな農場長、受講生に愛されいじられのAIC事務局の方々、栽培のみならず竹細工に長けた先輩方、愉快な同期の仲間達など 。。
(写真:埼玉農場 名物?鶏糞まきの様子。春に向けた圃場の準備)
実習では、皆で畑をうなったり(※畑を耕すこと)、マルチというシートを張ったり、種をまいたり。。共同作業をしながら、いろんな話をします。
業種や年代も全く異なる仲間・先輩と出会えた。
農作業は1人だと大変だけど、みんなでやるとあっという間だな、と感じます。
4. 「冬」 ~北風に吹かれて~
埼玉農場では、A区画~C区画まで分類され、季節に応じた様々な作物を栽培しています。昨年はコロナ感染拡大の影響もあり、受講生が農場を訪れる機会が減っていました。
そんなことから、AICスタッフの計らいで、受講生に一部区画を任せてもらえることになりました。3チームに分かれ、それぞれ栽培する作物をグループで相談して決めます。
私のグループの初期メンバーは同じ秋入学の4人でした。皆のアイデアで、小松菜、かぶ、スイスチャードを植えることに。「収穫出来たら、マルシェに出そう」と農場長。初めて畑を任されることから、心躍ります。
(写真: 埼玉農場での初めての栽培に浮かれていた頃)
この時は、このあと、長い戦いが始まるとは思ってもいなかった。
冬野菜を育てるには、保温のため、不織布などでトンネルを作って、畝を覆います。このトンネルが厄介で、土で固めているので風に弱いのです。
冬の間、トンネルが風によって剥がれる剥がれる。毎週のように、トンネルを張り直し。そう、私たちグループが担当した畑の位置は、他グループと比較して最も「風当たりのよく」、最も「日当たりの悪い」場所だったようで。。
長い風との戦いが続きましたが、子供たちの成長は芳しくなく、、
栄養が足りないのか葉っぱが黄色のカブちゃん。
枯れた小松菜の跡地は、蟻の巣になっていた。誰かの役には立っている。
枯れた子供たちは、最終的には、畑の肥やしとしてすき込まれたのでした。これが次回の作付けの良い栄養になることを願って!
5. 「想い」 ~畑はスリル、ショック、サプライズ~
AICは、就農に向けたアドバイスや作付・経営計画策定の支援など、受講生の想いを後押しするためのサポートをしてくれます。
農業の面白いところは、自分が畑にインプットしたことが、良くも悪くも結果として返ってくることかもしれません。
(上述のとおり、北風に吹かれるスリルや、日当りに恵まれない日々を送るなど、人間によるコントロールが難しいところがショックでもあります。。)
(写真: AIC埼玉農場での出荷準備)
これから、良い意味でも悪い意味でも、農業をしていくうえではサプライズが沢山出てくると思います。
AICでの体験を通じて、グループでの栽培もきっかけとなり、「自分の畑を持ちたい」という思いは強くなっていきました。自分で栽培を計画し、どの畑に何を植えるか自分で決めて作物を作りたい、という想いが芽生えてきたのです。
そんな想いから、栃木で栽培を始めることになりますが、その話は次回以降のお話として!読んでくださってありがとうございました。
石毛杏奈
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