転職のタイミング、未来の自分に聞いてみる。
現在31歳で、これまで5つの会社を経験しました。大学卒業後、食品メーカーに入社し宣伝部に所属。その後、一般事務、ホテル営業、広告営業・ディレクション、販促物の制作進行管理などさまざまな職種に携わってきました。
現在は、フリーランスのライターとして活動しています。
私は転職活動を通して、自分との向き合い方を学ぶことができました。その経験について、投稿させていただきます。
1.転職のタイミングー5年後の自分に聞いてみる
私が転職を考えたきっかけは、20代半ばまでは「やりたいことがあったから」という理由でした。例えば、「海外で働きたいから」、「『言葉』に携われる仕事をしてみたいから」などという理由でした。今思うと、まだ会社に何も貢献していないのに欲張りな若造でした。この頃は転職についてそこまで深く考えておらず、自分がやりたいと思ったことに向かって突き進んでいたような記憶があります。
20代後半からは、「今」ではなく「未来」軸で転職を考えるようになりました。
27歳の時。広告制作会社で営業をしていた頃、残業続きで夜間の業務もあったため心身ともに疲弊していました。やってもやっても仕事が終わらない日々の中、私が転職を考えたのはこの繁忙期の山を乗り越えた後でした。
山を越えて、仕事以外のことを考える余裕ができた時に、5年後の自分はこの会社で働けるのだろうかとふと思ったのです。
結婚した時、子どもができた時、時短で働く時。
さまざまな未来の自分を想像しました。
当時、仕事自体は楽しく、一緒に働く人にも恵まれていたのですが、身を粉にして働くことを未来の自分は望んでいなかったため転職を決めました。
今の状況や自分の気持ちとあわせて、未来の自分にも問いかけてみると客観的な視点で転職のタイミングや軸を考えることができました。
2.20代と30代の転職ー「なりたい自分」と「なれる自分」
20代後半まで、表舞台で輝く人に憧れていました。例えば、プレゼンが上手い営業マンや、ヒット商品を生み出すマーケッターなど。いわゆる、キラキラした人です。
実際は、私は人前で話したり初対面の人と話すのがとても苦手です。
「話すこと」より「書くこと」が好きなタイプ。
「スピード」より「確実性」を大事にしたいタイプ。
「ざっくり把握する」より「じっくり分析」したいタイプ。
「憧れ」と「性質」が真逆だったのです。
だから、どう頑張っても、何年経っても、何度転職をしても、なりたい自分にはなれなかったのです。
当時はその原因を環境のせいにしていました。会社の体制が、上司が、クライアントがなど常に他責思考でいたのです。
しかし、ある言葉に出会い、私のこの考え方が360度変わりました。それは、日本一のマーケター森岡毅さんの言葉です。
ナスビはナスビにしかならない。苦手なものを克服しようとするよりも、長所を磨いた方がいい。
この瞬間に、私はなりたい理想像を追うのはやめて自分が得意なことをもっと伸ばしていこうと思うようになりました。
このように思えたのは、20代でしっかりと自分に向き合ってきたからだと思います。なりたい理想像を追う時間は決して無駄ではありませんでした。この経験があったからこそ、逆に自分が苦労せずできてしまうこと(=得意なこと)にも気付けたのです。
20代までは自分はこれが得意だと決めつけず、憧れの気持ちを持ちつつ自分と向き合うことが大切です。
その経験を通してこそ、30代からは自分が得意なことにフォーカスして仕事も人生も考えていくことができます。
20代までは「苦手なこと・得意なこと」探しの旅、30代からは武器(得意なこと)をフル活用して仕事も人生もクリエイトする旅です。
3.会社選びで大切なのは第六感ー「何か違う」はだいたい当たっている
実際に転職活動をする中で、大事にしていたことがあります。
それは、会社や人を見ることです。
実際に選考が進み、面接に行くと内定をもらうことばかりを考えてしまいがちです。しかしその前に、会社や人を見ることがとても大切です。
この「見る」というのは、実際に目に見えるものと見えないものがあります。
見えるものは、こんな人が働いているんだな、フロアはこんな形なんだな、こんな設備があるんだな、トイレは綺麗だな、など自分の目で確実に確かめられるものです。
見えないものは、いわゆる「雰囲気」です。
会社が放つ雰囲気や、働く人のオーラです。感じ方は人それぞれ異なるので、他の人にとっては良い!と感じてもあなたにとっては微妙かもしれない。仮に、面接で綺麗なことばかり言っていても、雰囲気がそれに伴っていないと感じたら黄色信号です。
また、人については合う合わないはありますが、それ以前になんかこの人嫌だなと思ったらその違和感は大切にしてほしいです。
実際に私も、とにかく早く転職活動を終わらせたいという一心で、なんか嫌だなというこの自分の感覚を無視して失敗したことがあります。
もちろん、選り好みをし過ぎるのは良くないですが、住む家を決めるのと同じくらい会社選びには時間と労力をかけた方がいいです。
「何か違う」という違和感は、本当に、本当に大事にしてほしいです。
言葉にできないあなただけのその違和感は、だいたい当たっています。
4.転職は出会いの宝庫ー経験も出会える人も増える
転職するとたくさんの人に出会えます。
良い人や馬が合う人ばかりではありませんが、その分同じ会社にいれば出会えなかった人にも出会えます。特に、合わない人の分析はとても面白いものです。よく言われる、「嫌いな人(苦手な人)は自分に似ている」という法則が見事に当てはまるのです。
実際に私も、協調性がない人、言葉を選ばない人、気分屋な人にイライラしていた過去があります。
これは、
本当は自分がやりたいように自分のペースで仕事を進めたい。
気を遣わずに言いたいことを言いたい。
人の顔色ばかり伺わず仕事をしたい。
という、自分の深層心理が隠れているため、自分が本当はやりたいと思っていることをやってのける人を見るとイライラしてしまうということらしいのです。
この真理を知った時に、まさに自分だ!と思いました。
たくさんの人に出会うことで、自分のダメなところに気付くチャンスも増えます。
社会人になると、家族以外から注意されることが驚くほど減ります。注意してくれるのは、せいぜい最初の5年目くらいまでです。となると、自分で自分の至らなさに気付く必要があるのです。仕事にまつわることも、人間性的な部分も。
「転職」は、職を転するだけではなく、出会う人も、自分自身も転することができるのです。
転職は、出会いの宝庫です。
5.最後に
私は、ひとつの会社でずっと働き続けている人のことをとても尊敬しています。実際に私の友人で「継続は力なり」を座右の銘として、同じ会社で働いている人もいます。本当に頭が上がりません。
そんな彼らを横目に、自分が嫌になったこともあります。
しかし、ナスビはナスビにしかならないのです。
私は継続力がないかもしれない。だけど、好きなことに対する集中力と行動力は誰よりもある。
すでに自分に合った土壌で自分の長所を武器に勝負ができている人はラッキーですが、そうでない人は未来の自分に聞いてみると何かヒントをもらえるかもしれません。
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