0822 努力の天才、執念と運の人

私のスマホは音が鳴らない。震えることもない。それなのに今朝は6時半にけたたましく着信音が鳴り響いて驚いた。

親友の名前に背中が冷える。向こうから涙声が聞こえて心臓が大きく鳴った。何か緊急の不幸ごとだったらどうしようか。


結局内容は彼女の涙ぐましい努力が実った吉報だった。昔から努力、努力、努力の人。私の周りにはそんな人が多いが、その中でも群を抜いてコツコツと積み重ねているような人だ。一度計画したら捻じ曲げない我慢強さと、いろんなものを見て、咀嚼して、栄養として蓄え、放出する力がある。昔からそんなところが羨ましくて、妬ましかった。


私は執念と運の人。今朝携帯が鳴ったのはとても運が良かった。彼女と違って努力や継続が得意ではない。

私はただ、興味事への執念が人よりもずっと強いだけ。執念深く観察しているから、いつもと少し違うことに気が付きやすくて"勘"になる。運がすごくいいかと言われたらそうではないけれど、悪くはない。スピっぽく言うなら引力はある。その引力を最大限使うために、執念深く観察してタイミングを計っている。

親友はそんな私を、効率が良くて羨ましいと言う。12年前の私たちは、正反対同士とても同じクラスとは思えないほど敵視していて、仲良くしているようでいて、絶対に手の内を明かさない関係だった。



努力してみるか、と営業資料なるフォルダを作成。親友の活躍を指咥えてみているだけでは意味がない。

ガストのランチセットが到着。

スープが洋風ジンジャースープだった。鍋の底でチラチラと見える砂金のようなコーンは、お玉に入ることはない。私の仕事みたい。


とりあえず月5万円の継続案件が欲しい。できればリモートでできるといい。欲を出せばポートフォリオに載せられるようなローカル仕事だとうれしい。希望を書き出していたらポンと通知が鳴る。半年前にふんわり相談されたきりだった地元企業のインタビュー案件の正式オファーだった。1年安泰、運がいい。フォルダはゴミ箱へ。

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