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4文小説 Vol.27
綱敷天満宮の上空は曇り空、雨の予報のなか、なんとか持ち堪えてくれた。
わが家でお祀りするのが最後になった前夜、御霊に手をかけてみたら、母の夢に出てきて「ただいま」と言ってくれたらしい。
最期の時間がコロナ禍と重なり、施設の部屋に入ることができず毎月の面会はガラスに隔てられ、病院で息を引き取る瞬間も独りにしてしまった。
いろいろ申し訳なかったけれど、新しい部屋でお祀りした一年間に満足してもらえたのなら、いくらか救われる。
―祖母逝去から一年
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