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4文小説 Vol.14

元素記号さえも、亡き人の歌に乗せて覚えたのだとか。

新開地が繁華だったころ聚楽館での公演を観に行ったこと、新曲の歌詞を募集する雑誌の企画に参加したこと。

訃報に接して以来、73歳を迎えた母の昔話が尽きない。

3週間違いの誕生日がカレンダーでいつも縦に並ぶ、そんなことさえ嬉しいほど夢中になった気持ちは、永遠に生き続ける。

―西郷輝彦さん


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