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混沌。なんて、わかりやすい二文字にまとめないでよ。

これは、泣き言であり、今日を生きた証であり、私がわたしであるゆえ逃れられない絶望であり、疑惑だらけの祝福であり、自分勝手な悦であり、雑踏に隠した秘密であり、黄金糖より甘い溜息であり、白昼夢のような言い訳である。

感情は誰にも渡せないから、言葉はいくつも含むから、なんにも言えない。日々、外から見たら、つまらない奴になっていく気がする。誰も隣に座りたがらない気がする。わたし、ここにいちゃ、いけない気がする。いっそ、透明になれたら良かったのに。

コバルトの絵の具をそのまま広げたみたいな空の色。役立たずの平筆に、水を含ませ、雲を置く。ふわふわ、じゃなくて、ずっしり。宛る先のない手紙を捨てました。ほんとうは渡したい人がいたのだけれど。きっと海の泡になったのです。もしくは、森の声に。はたまた、街の光に。

ねえねえ、あのね。そのあとに、連なる言葉は掴まらない。もう、もう、もう、こんなのじゃ駄目なのに。愛に背を向け、いのちを削り、おんぼろ劇場に酔いしれる。

ただ、ただ、私の全てを理解しきった風に目を伏せるあなたのことが嫌いでした。だいっきらい。うぬぼれるな。私にうんざりして良いのは、私だけなんだから。あんたなんか、あんたなんか。

そうやって、湯船に波紋が広がるたびに、私はまたひとつ。孤独を知ったつもりになりました。そんなの、所詮、独りよがり、なのだけれど。

朝を告げる雨の音。白のマニキュアが霞んで。あっけない気怠さ。坂道ダッシュで夢から醒めて。通知音に漂うだけの文字。自我の脆弱性。間接的に撫でられた気がした。ほんとうは、真夜中を。

煮え切らないと嗜められた。臆病な決断に情けなくなった。ゆれるとゆらぐの間を縫って。息継ぎばかりで海を泳ぐ。これでいい。これもいい。これがいい。そんな、こんなで、わたしです。

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