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柔らかに広がる湯気のように形はなくともあたたかく

ちゃお。anoです。今日は大切なお話をします。

なんて言いましたが、そんなに構えないでください。「良い話と悪い話、どちらを先に聴きたい?」なんて。駆け引きをしたくなる日もあるけれど、大抵のことはコインの裏と表なので、今日は日常で特別です。

とか、また、話が逸れてしまうので、本題に入ります。

さて、この広い世界の中で私を見つけてくださった全ての方に質問です。あなたにとって、私はどんな人間でしょうか。それは、私の知っている私と同じ色や温度でしょうか。そして、あなたの世界に、私に居場所はあるのでしょうか。

anoという名前でインターネットの世界に住むようになって、数えきれないほどの自問自答を繰り返してきました。というのも、手の中にあるのは、私の世界だけだったからです。

自分を疑うことなく愛する幼少期、自他の違和感にぼんやりと気付き始める学童期、自分の正義が誰かを傷つけることを知った中学時代、誰かの正義に傷つけられることを知った高校時代、自分を見失い彷徨い続けた学部時代。

こうして振り返ってみると、私はいつもひとりぼっちでした。みんなと上手くやりたいと願いつつ、馴染めない自分を殺したくて、「普通になりたい」と泣いていた日々もありました。朝を迎えるのが怖くて、眠れない夜もありました。

どこにも所属できない半透明な自分を受け容れること。自分が楽になるためには期待しないことである。と、頭では理解していても、心のどこかで諦められない自分がいるので、苦しかった。孤独を選んでいると言いながらも、やっぱり、人恋しかったのです。

自分の見ている世界を理解してくれる誰かに出会いたかった。この世界中にたった一人だとしても。同じ温度で、言葉で、語り合ってみたかった。私が透明にならなくて良い場所が欲しかった。

そんな、諦めの悪さから、anoというアカウントは始まりました。名前の由来は、「あのね」から始まる他愛もない話がしたかったから。@anem0sというのは、アネモネの花からとっています。ギリシャ語で「風」という意味なのです。

私は、風みたいに自由気ままな旅をして、心を揺らしたかったのです。何者にも囚われず、海を泳いで、山を登って、花を眺めて、空と遊びたかった。その折々に出会う人々と気持ちを共有することが、精一杯の悪あがきでした。

どうせ、夢物語。と思いつつ、ひっそりと言葉を綴っていると、ぽつり、ぽつりと人が集まってきました。ちいさな私の声が響いて、水面に落ちた雫が輪を描くように広がって、少しずつ、けれども、着実に、私の居場所が生まれました。

純粋に尊敬できるひと、一緒に泣いてわらって怒ってくれるひと、私が愛せない自分すら愛してくれるひと、正しく叱ってくれるひと。沢山の素敵な人が手を伸ばせる範囲にいるのです。

そんな風に、あたたかい人々と時間を重ねているうちに、私はもっともっと、自分と向き合いたいと思うようになりました。みんなに負けないくらい素敵になりたいと考えるようになったのです。

そうして、自分が目を逸らしてきた部分と向き合うべく、内側にひきこもって、ひたすら自己分析を重ねました。でも、やっぱり、一人では限界にぶつかります。いつもなら、ここで挫折するけれど、今度こそ私は本気で諦めたくないと強く思っていたので、信頼できる人に相談してみることにしました。

「貴方はそのままでいい。まだ道半ば、だけどね。」

彼はそう言いました。この一言を聞いた途端、安心して涙が溢れました。これまでの自分を丸ごとすべて受け容れてもらえたような、そんな気持ちになったのです。そして、彼は続けます。

「そのままの貴方を、受け容れてもらえる場所に、出会えるといいね。何かを一緒に創る作業があって、所属しているだけで安心できるような、そんな空間が。」

私は、これを受けて、自分のInstagramのアカウントと、もう一つ、●さんのサークルが頭に浮かびました。個として尊重されていて、言葉を大切にするという前提で繋がれて、自分と向き合うことに一生懸命な●に惹かれた人が集まっている空間。だからこそ、私にとっての適温が保たれているのだと、頭の中で点と点が繋がって、大きな星座を見つけたような感動が身体を巡りました。

何を言っても、言わなくても。私として、受け容れてもらえる。なんだか、心の奥がぽかぽかしてきました。もう、ただのひとりぼっちじゃないのです。揺るがない、居場所があるのです。

さて、長々と語りましたが、私は、「あなた」に出会えて本当に良かった!と、愛を伝えたかっただけなのです。冒頭の質問を一生懸命に考えてくださる「あなた」に出会えたおかげで、私は今日を生きています。

今回のnoteは、anoという脚本の節目です。進化と停滞を繰り返し、螺旋階段のように積み重なっていく日々に、新しい章を書き始めます。

かつての私のように絶望を重ねている誰かに届くことを願って。

2020.11.27 ano

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