目を逸らして、春。
何も生まれない。何も紡げない。
雲のように形のない想いを。
水のように色のない言葉を。
どこを探しても見当たらない。
何も生み出さない。何も紡がない。
これはれっきとした意志である。
見るに堪えない言い訳と。
眠るに堪えない夜を越え。
漂うだけのたましいを。
鈍い痛みと共に去ぬ。
甘い星型のクッキーと。
未明のほしを廻るテロメア。
不健康があるから健康があります。
愛おしさすら疑って。
貴方の筆圧を覚えていました。
玄関のタイルが心地よいので。
靴下を脱いで空を仰ぐ。
口ずさむのは同じうたばかり。
洗いたてのタオルケットに包まれて。
歩道橋をふらりと歩く。
夢の中のわたしには。
ほんのちょっとの勇気があって。
ひらひらスカートを揺らしておどる。
落っこちたってかまわないわ。
光のシャワーを浴びるための場所。
あとすこし、あとすこし。
純真無垢なわたしはもういないけれど。
パレットの絵の具が固くなる前に。
見つけにきてね。
画面越しに、ちょうどいいところで。
秘密基地への招待状。
わたし、あなたのことだいきらい。
いま、わかるのは、それだけ。です。
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