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【CL横浜11-3】デッキを”選ぶ”とは

【基本無料です。有料部は没案のレシピが載ってます】
こんにちは、はじめての人は初めまして。
チームぱちぱちでプレイヤー、並びにジャッジとして活動をしているAmyuといいます。

今回は先日開催されたCL横浜で使用し、最終11-3、43位の結果を残したデッキタイプの選択理由や、そのほか普段から考えていることなどを備忘録ついでにまとめておこうと思います。
細かいデッキリストの詳細は作成者のリリーくん(@lilypcg)が記事を書いていますので、そちらを読んでください。

あと1勝が遠いの図

環境雑感

まずは今回自分がデッキを選択するにあたり考えたのは、大半のプレイヤーが考えるであろう、環境に対してそのデッキがどのぐらい強いかを示す、いわばTier表です。
普段からジムバトルに参加したり、有志の方がまとめてくださっているジムバトルなどの優勝デッキを平均化して、自分の考えたTier表は以下です。

  • Tier1 パルキアVstar ミュウVmax

  • Tier2 ロスト系統(ギラティナ、バレット含む) レジギガス

  • Tier3 アルセウス系統(主にギラティナ、裏工作など) ヒスイゾロアークVstar

  • Tier4 その他 

一般的に言われていたTier表と違うのはロスト系の若干の評価の低さ、ミュウVmaxへの評価の高さでしょうか
個人的な各デッキタイプに対する評価を以下に列挙します。


パルキアVstar

ぐぎゅぐばぁっ

登場より現環境トップを走り続けるバケモンデッキ
相手を倒そうとする=展開するという行為が自然と打点を上げることにつながり、また相手の展開を大きく制限できるというのが強いポイント
当然使用率もトップが予想され、またメタも集中することが考えられました。


ミュウVmax

ピンクの悪魔

こちらも登場より環境トップを走り続けるバケモンデッキ
無理なくVIPパスなどのボール類を多投できるため非常に事故が少なく、また新弾でセレナやVガードエネルギーを手にしたことにより、耐久やサイドを取るペースが高まりました。
ドラピオンVの台頭により一時期はどうなるかわからなかったものの、再使用を許さないロストシティや、メロエッタなどのサブアタッカーで攻撃することによりケアできるなど、プレイングでカバーできる部分があるため、個人的には評価は高めでした。


ロスト系統

打破せよ!!!

ロストアビスにて登場した、全く新しいデッキタイプ
規格外のエネルギー加速手段となるミラージュゲートや、優秀な特性や技をもつポケモンたちによって構成され、自身のデッキの組み方によって自在にメタ対象を決められるといった点が強みです。
個人的な評価が少し低い理由としては、アクロマの実験に依然している割合がかなり高く、プレイできた時とできないときとで出力にぶれが生じてしまう点と、序盤はVIPパス、終盤はミラージュゲートなど必ずプレイしなければならないカードが多いのにもかかわらず確定サーチが少ない、という点が挙げられます。


レジギガス

ギガギガフンフンガガガガガ

テーマデッキとして最高格のスペックを誇るデッキタイプ
各種レジのタイプから、相手にあった攻撃をすることで非常に簡単にサイドを取り進めていくことができる点や、非エクデッキありがちなツツジ事故に対して、ギフトエネルギーやレジドラゴの特性によってある程度の耐性がある点が強みです。
ただテーマデッキの宿命として拡張性に欠ける(環境によって変化させられる部分が少なすぎる)点や、明確なメタが複数存在してしまう(エンペルトVや崩れたスタジアム、セイボリー、シンオウ神殿など)ため、個人的評価はちょっと低めです。


アルセウス系統

かーみーさーまー

万能の性能を持つアルセウスVstarを主体にしたデッキタイプ
昨今では裏工作と合わせて耐久するタイプや、ジュラルドンVmax、ギラティナVstar、そらをとぶピカチュウVmaxなど優秀なアタッカーとともに構築されることが多いです。
Vstarパワー、スターバースからの展開が保証されているため非常に事故が少なく、また無色タイプサポートのチェレンの気配りやノコッチ、新弾で登場したVガードエネルギーなどによって飛躍的に耐久性が高まっており、半端なデッキではチェレンループをしているだけで勝っている、なんてことも

個人的に評価が低い理由は、先攻後攻での勝率の大きなブレや、どう頑張ってもアルセウスからしか展開が難しいデッキが大半のため、トリニティノヴァを打てないとゲームにならない点、また問答無用で気絶させてくるギラティナVstarや、過剰打点でたたいてくるヒスイゾロアークVstarの台頭などが挙げられます。


ヒスイゾロアークVstar

雪ほどきしニ藍みました??

Max火力300を誇る火力お化け
Vstarパワーがいわゆる博士の研究のため、1ターンに何枚も引くことによって必要なデッキパーツをそろえたり、ボスの指令を打ちながらデッキを回すなどの荒業もできる点、また新弾で登場したVガードエネルギーや、かがやくサーナイトなどによって耐久性も高まり、ダメカンが乗っていても実質HP310と倒されにくい点が強みです。
個人的評価が低い理由は、エネルギーの確定サーチがないため、運がないとそのままずるずる負けてしまうことがある点が挙げられます

これ以外のデッキタイプを列挙するときりがないため割愛します。

使用者Tier表

さて今度はデッキの強さではなくて、使用者が多いと予想される順に考えてみます。
一般的な環境考察では強さでしか判断していないものも多いですが、使用者が多くないと勝つべきところで勝てなかったり、またメタの対象が外れてしまうため、この工程が非常に重要です。
考えた表は以下

  • Tier1 パルキアVstar アルセウス系統

  • Tier2 ロスト系統(主にギラティナ) レジギガス ミュウVmax

  • Tier3 ヒスイゾロアークVstar その他

まず最初に考えたことは久しぶりの大型大会であることです。
ジムバトルとかでも結構耳にしましたが、初めて参加する方がかなり多い印象でした。
そのため、とりあえず自分の使い慣れたデッキタイプで行こうと考えてパルキアを使う人が多いだろうと予想しました。

あとは予選が9戦もあることから、安定を取ってアルセウス系統に流れる人たちも一定数いると考えました。
直近でVガードエネルギーなどのアルセウスに対して追い風となるカードが発表されていたことも大きな要因です。

また逆に、意外とロスト系統は序盤を乗り切ってしまえば当たりづらいかもなとも予想しました。
理由は簡単で、世の中のロスト系統に対する理解が進んでいないため洗練されたリストがいまだ少なく、ちゃんと研究した一部のプレイヤー以外は洗練されたパルキアに食われて下にたまっていくだろうと考えたからです。

デッキを決めた指針

以上のような思考をもとに、自分のデッキを決める指標を3つ用意しました。

1.パルキア、アルセウス系統に不利を取らない

いわずもがな、数が多いことを予想したためです。
これはパルキア、アルセウス系統を使わないことも意味していて、突き詰めていくと、同じ実力、同じ引きをした際にミラーをすると、先攻が圧倒的有利だということが練習の段階で分かっていたからです。

じゃんけんで勝ったほうが勝ちなら9戦やると最悪4-3ドロップになってしまうので、それよりは相性有利とったほうが早いです。

2.明確なメタカードを複数持たない

これはレジギガスなどのデッキに対していえることで、セイボリーや崩れたスタジアム、エンペルトVをはじめとしたカードで妨害されてしまうと対戦相手に主導権を渡すことになってしまい、それを複数種類持っていると対面が入れている確率が高まるためです。

長い対戦数を重ねるため、Day1抜けが最低でも2敗以下のCLでは不向きだと判断しました。
ここでレジギガスとミュウVmaxが候補から抜けました。

3.盤面の完成が早い

これは言い換えると、相手に常に要求を押し付ける、ということでもあります。

ロスト系統のデッキは、ギラティナがエネルギーをロストしたり、また非エクアタッカーが軒並みHPが少ないことから盤面の完成が遅く、ツツジ圏内に入るときに万全の準備をしていても要求枚数が多すぎて引けなくて負け、なんてことが発生します。(プレイングである程度カバーはできますが、一般的なプレイヤー対象として)

今回選択したヒスイゾロアークVstarはその点簡単で、いったん盤面ができてしまえば、あとはせいぜいダブルターボ手張り、Vstar、次のVぐらいしか必要なものがないです。(あとはロストでミラージュゲート引けるなら、ゾロアークでもダブルターボ引けるだろうって考えもあります)

盤面が完成していれば、ツツジを笑いながら受けることができるため、そこの点も重視しました。


以上のような理由から、高耐久を持ちつつ先攻後攻通して明確なプランがパルキアやアルセウス系統にもて、かつメタが少ないゾロアークを選択することにしました。
ミルタンクとかジュラルドンVmaxといったメタがないわけではないんですが、ロスト系統に対して有利がつかず、むしろ不利になることも考えられるので上位には多くないだろうと考え、その線は切ることにしました。

Day1からDay2への変遷

さてこういった経緯でゾロアークに決めたわけですが、今回初めてDay1とDay2でリストを変えてもいいCLだったので、細かい部分で調整をいれることにしました。

Day1

7-2
ロストギラティナ 先 ◯
パルキア後 ◯
ミュウ後 ◯
アルセウスヌメルゴン先 ◯
裏工作アルセウス先 ◯
ミュウ先 ×
裏工作アルセウス後 ×
パルキア先 ◯
ヒスイゾロアーク後 ◯

まずはDay1から
意識したのは事故りにくく、広い対面をみれる構築にすることです。
具体的なレシピは元のnote参照で、変えた部分だけ列挙します

回収ネット2枚→ふうせん2枚
→レジギガス等対面した際にチェレンループをよりしやすくするため

ヒスイのヘビーボール→ハイパーボール4枚目
→サイド落ちよりも上に乗れなくて負けることを防ぐため

キャプチャーアロマ1枚→パワフル無色エネルギー2枚目
→エネルギーを引かなくて負けることを防ぐため

マリィ1枚→セレナ3枚目
→ギラティナ等対面した時に先2で裏を呼んで勝ちたい(≒非エクを取ると次のVを取った時にツツジラインに入るので、相手のアタッカーを残したままツツジを喰らう可能性を少しでも下げる)盤面が多かったため、ボスではないのは事故を軽減するため

結果としてDay1の成績は7-2で、2敗はどちらも事故って初ターン手張りエンドをした試合だったので、個人的にはアロマ減らしたのはダメだったかなと反省。

Day2

4-1
パルキア先 ◯
ザシアンヌメルゴン先 ◯
パルキア先 ×
アルセウスギラティナ 後 ◯
裏工作アルセウス先 ◯

続いてDay2
Day1を戦った雑感としてはかなりアルセウス系統が多いことと、ミュウが思ったよりもいたこと、それとレジギガスがほとんどいないことでした
それにより何枚か修正することに

Day1から変えた部分は以下

ふうせん2枚→回収ネット2枚
→ロスト系が増えることを予想し、ロストマインの負け筋を消すため

大きなお守り→ツールジャマー2枚目
→アルセウス系統が思ったよりも更に多かったので、より勝ちやすいように

チェレンの気配り1枚→ディアンシー(プリンセスカーテン)
→ミュウが思ったよりも多かったので、後手を取った時に上からマウントを取られないように

こんな感じでしょうか
結果としてディアンシーはあまり使わなかったので、なくてもよかったかも?
(夜遅くに相談乗ってくれたリリーくんありがとう…‼︎)

デッキの細かい回し方とかはリリーくんが詳しくnoteに書いてくれているので割愛しますが、アドバイスとしてどんな時をも焦らず、どう最善の手でサイドを取り切るかを考えてプレイするとうまくいくと思います。

普段からやること

1.世の中のリストを網羅する

さて、後は普段からよくやってることですが、まずは日頃から色々なリストをみて、デッキタイプごとの特徴を掴んでおくといいかもしれません。

例えばCL Day2の4戦目のアルセウスギラティナが、先攻であなぬけのひもと入れ替えを使ってきたので、ノータイムでボスの指令ギラティナで縛ったら2ターンもらえました。

このような、デッキごとの弱点ってたくさん知っておくと、何かと役に立つことが多いです。


2.たくさんのデッキを実際に手に取って回す


それとひたすら回数を重ねて、色々なデッキに触ることです
昨今では色々な動画配信者さんがいますので、見るだけでもデッキのだいたいの動きはわかります
自分の推しは凱さんのガチ調整生配信と、たまにCL等大型大会後にヨネタクさんがしてくださる振り返り配信です(デッキを組む時の思考がめちゃくちゃ参考になります。)

しかしそれでも、事故率とかされたら嫌なことって実際に回してみないとわからないものです
プロキシでもレシートの裏でも何でもいいので、ぜひ60枚にして回してみることをおすすめします。


3.「練習」もどきをしない


あとは練習の方法とかでしょうか。
結構最近ポケカをカードショップとかで練習しているのは見かけますが、ただ対戦して終わりみたいなのが多い気がします。
ただひたすらに対戦を重ねたところで、そのデッキの回りかたはわかるかもしれませんが、それは一人回しでも同じです。

必要なのは、なぜそのプレイをしたか、その結果どこで分岐が起きて、結果的にどうなったのかを対戦相手と対話して考えることです。

例えばですが、アルセウスVstarのデッキで、相手の残りサイドが5の時に、脳死でチェレンを打つんじゃなくて、倒させてツツジから展開する方法だってあるかもしれません。
一つの戦術だけで戦っていると、対戦相手が上手の時に少しでもブレさせられると崩壊してしまったり、ツツジなどの絡め手に弱くなってしまいます。

肝心なのは引き出しの多さで、練習の時にしかできない“対戦相手との相談”をして、ぜひ色々な戦術を試してみてください
きっと役に立ちます


4.愛着を持たない

結構嫌われるかもしれない言葉ではありますが、あえて言えば、デッキに対して愛着を持たない、ということです。
これに関しては完全に競技目線になるのですが、ただ一つのデッキだけを詰めていると、そのデッキに愛着がわいて、環境が変わってもずっと使い続けてしまうことがあります。
ただ大抵の場合、デッキへの愛着は自分の目を曇らせ、もっと最善のデッキがあったり、もっと楽に勝てるデッキがあることが往々にして発生するのです。
もちろんこの枠にはまらないものも存在していて、例えばパルキアVstarのデッキとかはいくつもの環境を跨いで存在しているので、そういう意味では規格外であるとも言えるかもしれません。

ただし、最初に使うデッキを決める時にこの愛着とかは一旦取り除いて、色々なデッキを試し、自分が挑むベストなデッキを探すことこそが、弱点という有利マッチが存在するポケモンカードで一番重要な
ことであり、その努力は怠ってはいけません。


5.言い訳をしない


最後に、選択したことに対して言い訳をせず、勝ちきれなかった時は素直に認めることです

確かに昨今のポケモンカードでは、例えば自分のゾロアークでいえばハピナスミルタンクのデッキはそもそも構築段階で勝てるものではなく、CLで序盤に3回当たればそのままドロップになるのは間違いないです。

ただ、そういう時は大抵自分のデッキ選択が間違っていて、そこまでハピナスミルタンクデッキが流行っているのであれば、ゾロアーク以外のデッキを使うべきなのです。 

  • サイド落ちで負けるのであれば枚数を増やして落ちないようにしたり、シャクヤやヒスイのヘビーボールでケアする

  • 事故って負けるならボールの枚数を増やして安定に寄せてみたり、ドローソースを増やしたり質を上げて、回復を図る

  • 対面不利で負けるなら、構築段階でできる対策なら対処をし、それでも厳しいならそのデッキを使わない

  • 練習不足で負けるなら、そのデッキを友達に持ってもらって理解できるまで死ぬほど練習しましょう

自分も今回のCLの時にマリィ打ったら素で残り2枚のクロススイッチャー揃えられて負けた時は運だなって思いましたが、打たれる打たれないに関わらず、そういう盤面になった時点でそもそも負けているのです。

大事なのはなぜ負けたかを考えること。
負けた時の言い訳を考えている時ほどカッコ悪いものはないです。
次は勝ったぞと言えるように、頑張りましょう

最後に

ここまでよんでいただきありがとうございました。長くなってしまったのでこのくらいにします。
対戦の詳細は大体しか覚えていないので割愛しますが、もし要望があれば追加するかもしれません。

また、有料部分では練習段階で没になったデッキレシピが羅列されています。
もし気になった方がいれば見てみてください。

今期もプレイヤーとしても活躍できるジャッジを目指して頑張っていきます。

次はシティリーグ、もしくはCL京都でお会いしましょう。

普段から練習に付き合ってくれるチームの皆さんや、調整してくれる高田馬場の仲間のみんな、CLジャッジの方々と対戦してくださった皆さん、そして何より、読んでくださっている貴方に感謝を。

ありがとうございました!

Amyu

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