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家族の時間の長さと密度

夫婦や同棲カップルにおいて、片方あるいは2人ともが通勤のある仕事だと、1日のうち一緒に過ごす時間がどうしても限られると思う。

わが家の場合は夫が会社勤め、わたしが在宅ワーク。
夫婦の時間は朝か晩しかない。
といっても朝は身支度をすませるだけの最低限の時間しかないので、2人の時間とはいえない。

夜は夜で、夫が帰宅してから寝るまで平均およそ4時間。
このあいだに夕食をとり、お風呂に入る。夫は夏でもしっかり湯船につかるので45分ぐらいはかかる。
残りの自由時間で録り溜めたドラマを1~2話、晩酌がてら消化したい様子である。

2人で過ごせる時間は食事中と、ドラマを観ながらの晩酌タイムとなる。

夕飯はまあ一緒に食べるとして。

ただでさえ1日のうち一緒にすごせる時間が短いのだからと晩酌までつき合っていたが、最近やめた。


わたしも1クールにドラマを2~3本観るけれども、夫は10本ぐらい録画しているんじゃないかな。
簡単にいうと、夫が晩酌しながら楽しんでいるドラマにわたしは興味がない。
たまに「この俳優さん最近よく出るね」などと口を挟めば、めちゃくちゃ煙たがられる。わざわざドラマを一時停止する彼の顔には「今ドラマに集中していますがなにか」と思いっきり書いてある。

隣でわたしも晩酌しながら黙って本を読むなどするけど、正直なところ手持ち無沙汰だ。

その時間にわたしもお風呂すませちゃいたいし、締切が近ければとっとと仕事に戻って早く寝たい。

でも「やっぱり居たほうがいいのかな…」と、席を立つのが申し訳ない気持ちになるのだ。

一方で夫はおそらくわたしのそんな逡巡を知らない。
ある程度の時間になったらまだドラマの途中でも再生を止めて「じゃ、おやすみ~」と軽やかにフェードアウトしていく。

夫が気にかけていないのなら、わたしもそこまで気にする必要ないんじゃないか?


勇気を出して晩酌につき合うのをやめ、お風呂の時間とした。
お風呂から上がるともうテレビの前に夫の姿はなく、寝ている日もある。

平日一緒にすごす時間はリアルに夕飯時しかなくなったが、今のところとくになんの問題も生じていない。

むしろわたしの精神が穏やかになってさえいる。


家族ってただ一緒にいるだけでも意味があると思っていたけど、そうでもないなと。

わたしはね、実家のダイニングにいるときは自分のこともしながら家族と空気を共有してるんだよね。
自分ごと8割、家族2割ぐらいで。

夫の晩酌しながらドラマ時間は、夫にとっては「公開プライベート時間」なのかもしれない。
つまり自分10、家族0。
だとしたらそこにわたしがいても、家族の時間は0のままである。
密度0には何をかけても密度0だ。

わたしがいなくても問題ない。
事実同じ空間ですごす時間は減ったけど、別にコミュニケーション不足も今のところは感じない。

決してマイナスな意味ではなくて、プライベートな時間を過ごすスタイルが違うだけなのである。
わたしは自分ごとをしたいときは部屋に閉じこもる非公開タイプ。自分の空間にはテレビがないため、観たいときは誰もいない時間にそっと観る。

夫のようにプライベートを公開スタイルで過ごす人もいるものなのだなあと今さらながら気づいた。
気を遣う必要ないことにもね。

とまあ、これは平日の話で休日となるとまた話は少し変わってくるだろう。

そういえば今週は3連休。
はたしてどんな連休になるのかな?



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