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変化の季節。変化の記録。
2022年9月2日
いつもと変わらない1日ではあるが、私にとって人生の一区切りとなる日でもあった。
14ヶ月続いた旅が終わった日であり、研究室生活が始まった日でもある。1年間の休学が終わり大学に復学したのだ。
9月2日を境に、住む場所も変わって日々のルーティンも変わった。
変化を楽しみつつ、どこかまだ気持ちが追いついていなかった。
やっと新しい生活にも慣れてきたが、旅をしていた頃の自分がどんどん薄まっていく気がして少し寂しさも残る。
一方で、休学前の自分でも休学中の自分でもない、新たな自分をどうポジショニングさせていこうかとワクワクしている。
この奇妙で繊細な感覚を忘れたくないから、このnoteに記録しておこうと思う。
誰かに向けたメッセージがあるというよりも、今の自分が見てる世界をまた振り返りたくなったときのために記録に残す。
ただそのためだけのnote。
14ヶ月間の旅で磨かれた「次はどこに行こうかなアンテナ」
去年の7月から14ヶ月間、ずっと旅暮らしをしていた。
どこに行っても自分が知らなかったことだらけで、好奇心旺盛な私は調子に乗った。気が向くままに日本全国を転々とした。
平均して3,4泊ずつで旅先が変わることが多かった。本当はもっと長く滞在してもいいのだが、新しいことが大好きな私の「次はどこに行こうかなアンテナ」がすぐに情報をキャッチするから、常に行きたい場所が3つ以上あった。だから、一つの場所にとどまることができず、気がついたらすぐに移動してしまっていた。
旅を続ければ続けるほど、また訪れたい場所がどんどん増えていく。そして旅先で「ここがよかったよ」と情報を仕入れるたびに旅の候補地がまた増えていった。
東京で小中高大と育ち、東京から出ることがあまりなかった私の住む世界はどんどん広がっていって、日本全国がフィールドになった。
都内で友達に会いにお台場や渋谷に行くような感覚で、日本全国の友達に会いに宮城、静岡、愛知、石川、兵庫、広島、長崎、などいろんな場所に足を運んだ。
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14ヶ月も続けていると、この旅暮らしが自分の中のスタンダードになっていた。「次はどこに行こうかなアンテナ」は常に貼り続けていた。
しかし、この旅暮らしは期限付き。夏休み+1年の休学期間だからこそできるライフスタイルだった。
2022年9月2日、久しぶりに大学へ行く。
4年間も通った場所のはずなのに、なぜか緊張した。そうだ、私はまだ薬学生だったのだ、と体が思い出し始める。
次の月曜から毎日大学に通い始める。研究テーマを探すために論文を漁る。教授とのディスカッションに向けてスライドを準備する。大学の授業が始まり課題が課せられる。土日はCBT対策ゼミの授業が配信される。
次々とタスクが降りかかってくる。
9月7日はCBT模試だった。あー、ファーマコフォアってなんだったけな。有機化学懐かしいなー。その法律の問題どっかで習ったなー。
久々に薬学に触れていくうちに「薬学部に通っていた自分」を取り戻していく。
休学中は、あえて薬学から離れていたからこそ、すごく新鮮な感覚があった。
9月になって復学してから、少しずつ環境が変わって、やるべきことが増えていって、いくべき場所ができていった。
14ヶ月続けた旅暮らしと、毎日大学に通う暮らしがあまりにも違ったから慣れるのに時間がかかった。
旅が終わった
そう体が認識し始めるまで時間がかかった。
自分の外を流れる時間と、自分の内側を流れる時間がずれた
東京を出ることは今はできないと分かっているのに、旅に慣れていた私の「次はどこに行こうかなアンテナ」は相変わらずたくさんの情報をキャッチする。
9月頭は下田でイベントがあるし、9月の終わりには広島でイベントがある。宮城県にいるあの人は今日も元気そうで、旅しているあの人は今日鳥取にいるらしい。
SNSを開くと、日本全国にいる友達の情報が入ってくる。嬉しいことに「今度イベントがあるから遊びにおいでよ」「このインターンえみぞう興味ありそうだけど、どう?」とお誘いが来る。
すごく嬉しいのだけれど、でも行くことができない。
少しもどかしい。
14ヶ月の旅で広がった世界を閉じなくてはいけない。見えてる世界は広がったのに、足を運べる範囲が狭まった。
日本全国をまた歩き回りたくても、今日も東京にいる。日本を歩き回ることができなくて、東京で地団駄を踏む。そんな感覚だった。
SNSの名前をそっと「えみぞう@旅するダンサー」から「えみぞう@たまに旅するダンサー」に変えてみたりした。
時間が解決してくれる
「時間が解決してくれる」という言葉はほんとよくできたもので、時間が経つにつれて大学に通う自分にも慣れていった。
旅している最中はなかなか会えなかった中高大の友達とのご飯を重ね、家族との時間が増えていくうちに、かつての日常を取り戻していく。
昔の自分をちょっとずつ拾いながら、旅する自分とのマリアージュを楽しんでみようかな。
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